学生生活
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将来の夢は?
5名の学生たちが本音で語ります。
韓国
博士 1年
参加プロジェクト:CREATO!
日本
修士2年
参加プロジェクト:Network Media
中国
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
日本
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
日本
修士1年
参加プロジェクト:Embodied Media
平松: 僕は医療系大学卒業後、鍼灸師として活動していました。プライベートでは、友人の勧めでeスポーツに興味をもち、大会を観戦して大きな感銘を受けました。そこで、自分の専門領域でeスポーツの世界に貢献できないかと考え、大学院で選手のフィジカルケアとマネジメントを学んだ後、さらに研究を深めるべくKMDに入学しました。
上山: 私は約10年間舞台俳優をしていて、演者を続けていくうちに舞台芸術にまつわるコミュニケーションのあり方を探求してみたいと考えるようになりました。KMDであれば、多様な国籍や経歴の人たちが集まっており、ともに学ぶことで新な視野やアプローチを身につけられると思い入学しました。
エリザベス: イギリスの大学では経済学を学んでいました。大学卒業後、自分が何をしたいのか、何ができるのかわかっていませんでした。ただ、IoTなどのテクノロジーを医療に活用する「MedTech」には興味があったので、学校を探していたところ、KMDに行き当たったんです。
斧田: 私は美術大学を卒業して、ミニチュア制作会社でデザイナーをしていました。そこで展示の企画に向けて、ARなど先端技術の活用を検討していたときに知識不足で断念したことがとても悔しくて。これを機に学ぼうと考えていたとき、次世代の音楽体験を形にしたエンハンスの水口哲也さんの作品に出会って衝撃を受けました。水口さんがKMDの特任教授を務めていることを知り、入学を決めました。
清水: 僕は、建築設計者として設計事務所に勤めている中、コロナ禍で在宅勤務を始めた時に、建築が社会において果たすべき役割を改めて悶々と考え始めたのがきっかけです。そんな時に僕も水口哲也さんの作品をみて、「もっと人の心動かす建築体験がつくりたい」、「建築とメディアデザインの融合や建築領域の拡張を模索したい」と思い至りました。
平松: 大学附属の鍼灸院では鍼灸師、eスポーツの専門学校では講師を務めながら、eスポーツにおけるヘルスケアとマネジメントの研究を進めています。eスポーツ領域の学術研究は黎明期ですが、そのなかでも業界の健全な発展に貢献すべく、包括的なマネジメントモデルについて研究しています。
上山: 研究の傍ら、インターネット生配信番組での進行や新聞社へのエッセイの寄稿も行っています。演技指導における円滑なコミュニケーションについて、デジタル技術を用いた指導法などを模索しながら誰もが実践できるように方法論として確立したいと考えているところです。
エリザベス: 私は博士3年生なので、論文やレポート作成に追われる日々です。普段は、竹芝にあるKMDの研究拠点「Cybernetic Being Lab」に入り浸って、AR技術を活用して、認知症患者などが感じる視覚的な困難を擬似体感するプログラム「Dementia Eyes」をサポートする研究をしています。
斧田: 私も平日の朝から夕方まで竹芝のラボにいて、実験や論文、研究レポートの執筆に取り組んでいます。VRを用いて身体の知覚を擬似的に変化させ、自分の体が小さくなったり大きくなるように感じる研究をしています。自分とは違う視点に入っていくような体験を実用化して、次世代のエンターテインメントにつなげたいと考えています。
清水: 僕は建築設計の仕事を継続しながら、日吉キャンパスの図書館で作業をしたり、竹芝のラボで研究する毎日です。テクノロジーを溶け込ませた空間の中で人の五感を刺激したり、行動変容を穏やかに促すことで、建築空間の価値向上を実現したいと思っています。広義には、建築設計者という職能そのものの拡張にも取り組めたらと考えています。
平松: 「君のやりたいことをやっていいよ」と言ってくれる場所です。例えば僕には工学系の知識はないけれど、ここにはさまざまな専門領域を持つクラスメイトやプロジェクトメンバーがいて、全力でサポートしてくれたり、目的が合致すれば一緒に研究を進めたりすることもできます。必要に応じて外部企業との連携を先生方が後押ししてくれることもあって、自分の研究をどんどん進められることが魅力です。
上山: 本当にそのとおりだと思います。私の所属するリアルプロジェクトではインターネットを主に扱うのですが、私はまるで門外漢でした。でも、先生をはじめ同級生や先輩が技術を補ってくれます。私も微力ながら自分の得意な領域でみんなの役に立てたら嬉しいし、ともに高めあえる環境をすごく心地いいと感じています。
エリザベス: ここには興味深いリアルプロジェクトがたくさんあるので、目的に応じてプロジェクトを変える人もいます。私にとってKMDは、自分でもわかっていない長所を理解してくれて、可能性を引き出し、さらに成長させてくれるところだと感じています。
斧田: 国籍もバックグラウンドも、価値観もバラエティーに富んでいて多様性のある場所。そういう人たちとディスカッションしたりするうちに、相対的に自分がどんな人なのかがわかるようになってくることがとても面白い体験だと感じています。
清水: 僕はSFCの大学と大学院で建築を学んでいたのですが、どうしても同じ研究領域の仲間と過ごすことが多かったです。KMDでは、自分と180度異なる考えや目的を持った人と一緒に授業を受け、すぐ近くでコラボレーションができるため、非常に面白い環境だと感じています。
平松: KMDに入ったら自分にとっての当たり前が、当たり前ではなくなることを覚悟してください(笑)。さまざまな制約下でリスクを鑑みて生体に適切な介入をし、最大限の成果を発揮することが、医療の世界に身を置く僕にとっての当たり前でした。でもそれは医療における一面でしかなく、いろんな視点の人と触れ合い考えを深めることでこれまでの常識は破壊されますし、それを面白がれる人たちばかりが集っています。それが、僕にとってKMDでの最も価値ある体験です。
上山: 私も、正しいと信じていたことに違う側面があることをKMDで気づかされました。それに、自分のやりたいことを思いがけない方法で発展させることができることも知りました。解決したい課題や目的意識が明確に定まっている人ならば、入学後に可能性が広がると思うので、社会人を経験してからの入学もおすすめしたいです。
エリザベス: 私は逆に「自分にできること」を見つけたくてKMDに入学しました。そしてさまざまなプロジェクトに参加するうちに自分ができることを発見しました。私にもできたから、あなたにもできるはず。KMDならすばらしいプロジェクトを達成できると信じてほしいです。
斧田: 毎日が新しい発見の日々です。KMDでは自分の考えを発信したり人の話を聞く機会がとても多いので、入学したらぜひいろんな人に積極的にアプローチをして、さまざまなことにトライしてほしいです。きっと、実りのある学生生活になると思います。
清水: 僕はまだ入学して間もないですが、KMDでの授業やプロジェクトは、社会課題を見つける良い訓練になっています。これまでの研究や社会人経験とここで見つけた新たな問いをうまく接続させることができたら、これまでにない新しい価値観を世の中に還元できるんじゃないかと思います。ただ、面白そうなプロジェクトがたくさんあるので、どれを選ぶべきか......まだ迷っています(笑)。
※ 本記事は2024年3月に取材したものです。
将来の夢は?
7名の学生たちが本音で語ります。
日本
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
ブラジル
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
デンマーク
修士2年
参加プロジェクト:PLAY
日本
修士2年
参加プロジェクト:Future Crafts
日本
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
中国
修士2年
参加プロジェクト:Global Education
ポーランド
修士2年
参加プロジェクト:Geist
小川: 工業高専で工学の勉強をしていました。学生ベンチャーに参加して、就職か進学か迷っていたとき、工学以外にも、デザインやマネジメントなど幅を広げたほうがいいのではと考え、先生や先輩に相談するなかでKMDを知りました。Embodied Mediaでは、僕が長年続けているストリートダンスとエンジニアリングを組み合わせて、初心者でもダンスの楽しさを体験できるデバイスを研究しています。
王: 大学を卒業した後、IT企業に就職しました。その会社が社内でアクセシビリティに積極的に取り組んでいたことに感銘を受けて、テクノロジーの力で問題解決に貢献したいと思い立ち、KMDに入学しました。Embodied Mediaでは、触覚技術を使って人間の精神面にアプローチするための研究を行っています。
万: 慶応大学の経済学部に通っていたときにKMDフォーラムで面白そうなプロジェクトや先輩と出会い、KMDに進学したいと思いました。当初、自分の研究テーマはあまり明確ではなかったのですが、リアルプロジェクトに参加するなかで教育分野に対する興味が深まりました。Global Educationでは、食やサステナブルにまつわる教育について研究しています。
オガサワラ: ブラジルのカンピーナス州立大学芸術院を卒業後、映画業界でフィクションやドキュメンタリー映画の制作に携わりました。次のステップとして、エンターテインメントとは異なる分野での可能性を探りたいと思い、日系ブラジル人コミュニティの奨学生としてKMDに来ました。Embodied Mediaでは、HCI(ヒューマン・コンピューター・インタラクション)と人種やジェンダーなどの社会問題を調査し、ロボットやハプティクスなどのテクノロジーを組み合わせた研究を進めています。
近藤: 私はデンマーク出身で、デンマークの大学ではメディアデザインを学びましたが、ずっと日本で勉強したいという想いがあったので卒業してKMDに進学しました。PLAYでは、通信企業とコラボレーションをして嗅覚について研究しています。
山口: 大学ではデザインを専攻していましたが、卒業後の進路を悩んでいました。KMDに在学していた友人からKMDの話を聞き、デザイン思考や経営戦略についても学びたかったのでKMDはぴったりだと思いました。Future Craftsでは、自分が北海道出身ということもあって、先住民であるアイヌの人たちに向けて新しい学びの体験を提供する機械学習などの研究を行っています。
スキスケカー: もともとアジアの文化に興味があり、特に日本は技術に強いイメージがあったので、日本の大学に進みたいと考えていました。なかでもKMDは興味深い研究テーマがたくさんあって、自由な雰囲気も魅力でした。Geistでは、ハプティクスによるダイビングスーツの開発を研究しています。触覚でユーザーに周囲の情報を伝え、安全に水中をナビゲーションするものです。
近藤: 入学して最初の学期がすべてオンラインだったので慣れるのに苦労しましたが、2学期からはキャンパスに行くことが増えました。普段はプロジェクトルームの学生アシスタントをやっていて、プロジェクトメンバー以外の学生とも話す機会が多いです。
スキスケカー: 私も、行動制限があったため、はじめはあまり他の生徒と交流ができませんでした。少しずつ対面の授業が増えてきて、柔道とパワーリフティングのサークルに入り、友達がたくさんできました。キャンパスには週4日通って、休みのときに遊んだり、アルバイトをしています。
山口: 2022年に入ってようやくプロジェクトの成果を展示したり、学会で発表ができたりと学外での活動も増えてきました。研究以外では、グラフィックデザイナーとしてKMD内のデザインの依頼を受けるなど、自分のスキルを活かして活動しています。
小川: 僕は竹芝にあるEmbodied Mediaのラボにいることが多いです。学外では学生ベンチャーのCEOを務めているので、高専時代のメンバーとアプリを開発したり、販売活動もしています。
王: 私は研究に集中したいので、就職していたときの貯金を使って、今は研究一色の生活を送っています。
万: 今は、研究のためのフィールドワークやワークショップで外に出かけることが多いので、あまりキャンパスには通っていません。でも友達と御飯を食べたりテーマパークで遊んだり、学生生活を満喫しています。
オガサワラ: KMDのプロジェクトルームでいることが多いです。プロジェクトのメンバーや研究室だけでなく他の友人とも交流しています。学外では、ガストロノミーに興味があって、いろいろな食文化にトライしています。
小川: Embodied Mediaでは、修士1年は毎年春学期にIVRC(国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト)に参加することになっています。4月から12月くらいにかけてコンテンツをつくって応募するのですが、私たちのチームがKMDで初めて優勝したので嬉しかったです。
王: 私も同じチームで参加しました。ものづくりのバックグラウンドがなかったので大変でしたが、先輩に教えてもらったり、普段の授業ではない密度の高いコミュニケーションができたことで、さまざまな人と親しくなることができました。
オガサワラ: 僕は、Embodied Mediaが毎年開催している展覧会「Recombinant」に参加したことです。そこでは音楽ライブやアート作品の展示がされるのですが、私は映像制作のスキルを活かしてイベント全体のオーガナイズに携わりました。来場者から反響をたくさんもらうことができ、貴重な経験になりました。
―これからKMDを目指す人に向けてアドバイスをお願いします。
山口: KMDは、自分がやりたいと思っていることをやり通すことができる場所だと思います。教員のサポートも手厚いので、やりたいことがある人にとってはいい環境だと思います。
小川: 明確なビジョンがある人にKMDは合うと思います。実際そういう人たちが入学していて、個性がぶつかりあうことによって、どんどん新しいものを生み出しています。
オガサワラ: KMDはある意味、リラックスできる場所。自由が与えられている環境があるからこそ、自分自身を見つめ、他の人たちとじっくり学びあうことができるのだと思います。
近藤: オープンマインドでチャレンジ精神を持っていることが大切です。授業も大事ですが、学生同士でコミュニケーションしているときがいちばん学べるので、この環境を活かして多方面からインスピレーションを受けてほしい。
万: 同感です。興味を持ったら、先輩でも誰でも話してみるのがいいと思います。
小川: KMDでいろいろな人とつながり、新しいエッセンスを取り入れてきました。仲間たちと一緒に制作することに可能性を感じているので、これからも多様な人たちとものづくりをしていきたいです。
山口: 卒業後は就職先でデザインの仕事をしっかりとやり、そこで学んだことを活かして、将来的には北海道に帰って、デザインやものづくりの環境を整えたいです。
王: 仕事でも趣味でも、私にとって大切な家族や友達の幸福に貢献できるような活動を続けたいです。
近藤: 多文化かつ多様性のある環境で、デザインやものづくりを中心とした仕事に関わりたいと思っています。
万: リアルプロジェクトを通じて教育に興味を持ったので、さらに研究を進めていきたいですし、将来は教育に関係する仕事に就きたいです。
オガサワラ: 将来どんなことに取り組もうとも、平等性や世の中がよりよくなるにはどうすればいいかについて常に考えていきたいです。
スキスケカー: 今は博士課程を目指していますが、その後はソフト開発やR&Dの会社で働きたいと思っています。最終的には自分の会社を立ち上げたいです。
※ 本記事は2023年3月に取材したものです。
KMDで学ぶ日々をどのように過ごしている?
将来の夢は?
5名の学生たちが本音で語ります。
日本
修士2年
参加プロジェクト:Creative Industry
日本
修士2年
参加プロジェクト:Policy Project
日本
修士2年
参加プロジェクト:ITOMA
日本
修士1年
参加プロジェクト:Global Education
日本
修士2年
参加プロジェクト:Network Media
渡邊: 現在、外資系企業で働いているのですが、もっと自分の幅を広げたいと考えていたときにKMDを知りました。Creative Industryを選んだ理由は、課題に対して新しいアプローチで解決を模索するというリアルプロジェクトの内容が自分の取り組みたいもの重なると感じたからです。
下川: 大学生のときから母とヴィーガンレストランを運営しています。「将来、プラントベースの食事が日々の選択肢の一つとして当たり前の食習慣になってほしい」という思いで試行錯誤するなか、もっと新しい感覚を取り入れたいと考えはじめたときにKMDと出会いました。やりたいことを応援してくれる環境が整っていて、入学してから楽しく研究を続けています。
森山: 7年ほど会社員として働きながら、個人的にイベント企画の活動を続けていました。そのなかで空間デザインに興味を持つようになり、KMDの存在を知りました。リアルプロジェクト閑では、モノや空間を通して人の体験を生み出すことに軸を置いてさまざまな研究をしています。
菊池: 学部では土木工学を学び、大学院では構造設計に進む予定でした。自分がこれから本当に何をやりたいのかを考え直したとき、人と人をつなげるものをつくりたいと思い、改めてデザインについて学ぶためにKMDに来ました。
藤本: 大学の卒業論文で、世界の有名画家の作品をデジタル化し、それらをバラバラに分解してもその人の作品であると認識できるかどうかという実験しました。そのとき担当教授から美術大学の修士課程かKMDを奨められて、KMDを選びました。
渡邊: リアルプロジェクトCreative Industryでは日本のさまざまな地域と協働していて、今は福井県鯖江市でのプロジェクトに参加しています。3Dプリンターやレーザーカッターなどの機材が揃うファブラボでモノづくりをしながら、その地に伝わる工芸の新しいアプローチについて研究しています。例えば、漆塗りを新解釈し、伝統技術を生かして現代に受け入れられるような商品を開発するなどです。
下川: 私はPolicy Projectで、ヴィーガン普及のために「食べる場所を増やす、プロダクトを増やす、食について考える機会を増やす」をコンセプトに研究をしています。例えば、植物肉は環境問題や食糧危機の対策として注目されていますが、ヴィーガンではない人たちをどう巻き込んでいくか、肉が好きな人でもおいしいと言ってもらえるプロダクトをつくっています。
菊池: 私も食育に興味があって、Global Educationでは小学生のいとこを連れて、三重県鈴鹿市のお茶農家に行ってフィールドワークを行いました。一緒にお茶を摘んだり、蒸したり、さまざまな工程を見学しながら、お茶づくりを学ぶ体験をして、いとこは苦手だったお茶が大好きになりました。この体験から、食育に関わるプロダクトやスペースデザインの研究を進めています。
森山: リアルプロジェクト閑のサウンドスケーププロジェクトで活動しています。ユーザーが街を歩きながら音声ガイドを聞き、その街やスポットの魅力を知るサービスに取り組んでいます。プロのツアーガイドさんに同行して、実際にどのような案内をしているのかを観察調査しながらプロトタイプに生かしています。
藤本: 実は朝起きるのが苦手で、少しでもすっきり目覚めることができないかと考えながら、睡眠の研究をしています。人間の睡眠リズムに影響を及ぼすといわれるブルーライトを活用して、メラトニンの分泌を抑制する目覚まし装置をつくりました。この装置を通じて、心拍数や部屋の明るさ、気温といったデータを取得し、目覚めと環境の相関について研究しています。
藤本: 研究テーマを考えるとき、近くにいる人をつかまえて「これどう思う?」と感想を聞くことが大切だと思っています。コロナ禍で、研究について気軽に話し合える場が減ってしまい、悩ましかったです。今はこの生活にだんだん慣れてきて、自分たちのコミュニティを中心に工夫しながら話し合う機会も増えてきました。
下川: 「このテーマで論文を書いて、この実験をして、この時期には商品ができるのでアンケートを取って」と予定していたことが、緊急事態宣言の延長でどんどんずれ込んでしまいました。論文の提出日に商品が出せず、辛かったです。
森山: 私はコロナ禍に入学をしました。リアルプロジェクト閑ではフィールドワークとプロトタイピングが重要で、そのためには人とフィジカルに会って取り組むことが欠かせません。動けない時期もありましたが、今は申請をすれば必要な部屋や機材を使えるし、リアルとオンラインのハイブリッドな使い分けができています。
下川: ティーチングアシスタントとしてゲスト講師の講義をサポートしています。リアルの講義では学生がなかなか質問をしてくれないのが課題だったのですが、コロナ禍を機にチャットアプリを導入したところ、オンライン授業ではたくさんの質問が集まるようになりました。奇しくもコミュニケーションが活性化した部分もありますね。
渡邊: KMDは国籍や年齢など多種多様なバッググラウンドをもつ人が集まって、さまざまな研究をしています。研究を支援してくれる環境も整っているので、入学を検討していたらぜひおすすめします。
下川: KMDはコミュニケーションを取りやすい環境で、やりたいことがある人の活動を応援し合う文化があります。やりたいことが明確な人も、自発的に動けるタイプの人も最大限活用できる場所だと思います。
森山: 私の場合、最初からやりたいことが明確にあったかというとそういうわけでもないんです。でもKMDに入学してから、さまざまなリアルプロジェクトを見ることで、興味をもてるテーマに出会うことができました。ですから「何か新しいことをやりたい」という気持ちがあれば大丈夫ですよ!
菊池: 今やりたいことが漠然としていたとしても、KMDならまわりの人が助けてくれるし、自然に道が拓けるところがあります。「何かをやりたい」というパッションさえあれば、楽しいことがきっとたくさん見つかります。
藤本: KMDの魅力は、教授や教員の専門性やネットワークを含めて、豊かな知のリソースがあることです。何かを尋ねれば「それならわかるよ、あの人を紹介できるよ」とすぐに返してくれるし、スピーディにモノづくりしたり、実験するための道具もそろっています。KMDに入る前でも入ってからでもいいので、まずは自分のまわりにどんなリソースがあるのかを知って、それを生かして「何をするか」を決めていくことが大切です。
―ありがとうございました。
※ 本記事は2021年7月に取材したものです。
将来の夢は?
6名の学生たちが本音で語ります。
修士2年
参加プロジェクト:SAMCARA
修士2年
参加プロジェクト:Network Media
修士2年
参加プロジェクト:PLAY: Entertainment Media Design
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
山野: 大学時代はアメリカ哲学を学んでいたのですが、現代の問題や未来の役に立つような研究にシフトしたいと思いました。KMDは大学での研究分野を問わない門戸の広さがあったので応募しました。
浅田: 僕は理系単科大でスーパーコンピュータの研究をしていました。もう少しユーザーに近い分野に取り組みたいと考えていたとき、大学の先生が「KMDなら包括的に学べる」と教えてくれました。
ラグナー: 学部時代はドイツでゲームデザインを学んでいましたが、その後もっと広い視野でインタラクティブな体験を勉強したいと思うようになりました。ドイツにはデザインの観点からテクノロジーを学ぶコースが少なく、調べるうちに日本のKMDを見つけました。
堀井: KMDのEmbodied Mediaで、デザインやテクノロジーを使って人の心を表現したいと思って入学しました。また自分のテーマが異文化コミュニケーションなので、半数が海外留学生だというKMDの環境は自分のトピックに重なると思いました。
山野: 修士1年のときは授業の課題やリアルプロジェクトが忙しく、修士2年になってようやく自分の研究に集中したり、自分の時間が取れています。学外の活動としては、出身地の福井県で地域活性化のプロジェクトに取り組んでいます。
浅田: 学会を控えているときは研究室に泊まりこんで開発することもあります。今は、起業した会社がまもなく新しいサービスをローンチするのでかなり忙しいです。ほかにも音楽バンド活動もしていて、それらがすべて関係しながら進んでいる。同じ日がまったくない生活です。
ラグナー: 日本企業との共同研究に関わっていて、外に出る機会も多くとても充実しています。日本に住んで1年半になりますが、東京や横浜で毎日新しいものに出会って刺激を受けています。KMDのある日吉の下町エリアもとても居心地がよくて好きですね。
ブルジョワ: 新型コロナによって、今年は最初の学期のようにキャンパスで過ごすことができませんでした。キャンパス外で勉強するだけでなく、自宅でフリーランスのメディアアーティストとして活動していて、クライアントであるインフルエンサーのグラフィックデザインやビデオ編集をしています。
堀井: 新型コロナで学会発表も授業も、就活の説明会もすべてがオンラインになりました。でもこの状況をポジティブにとらえて、違うプロジェクトのメンバーや社会人に積極的にコンタクトをとっています。そこから新しいプロジェクトが始まるなど、楽しいことが起きています。
浅田: 例年、Embodied Mediaの修士1年生は,VR開発者にとって登竜門的な存在であるIVRCに参加します。IVRCへの参加を通じて身体性メディアの本質を理解したり、チームで開発する大変さを学ぶことができます。苦労してつくったものを使ってもらい、人の喜ぶ顔を見られるのはとても貴重な体験です。
ノラスコ: 私が所属するSAMCARAもたくさんのコンテストに参加します。なかでも大きいものは「バイオデザインチャレンジ」。今年、私たちが応募した作品がコンテストの5周年を記念する書籍で取り上げられて、とても印象深かったです。
山野: なんといってもKMDフォーラムですね。各自が取り組んでいる研究を持ち寄って、いろいろな人に見てもらえるとてもいい機会です。外部の人に評価してもらえるのもいい経験ですし、普段はあまり話をしない学生の研究に刺激を受けたり。イベントの準備も学生が中心になって行います。マネジメントや設営などやることが多くて大変ですが、プロジェクトの壁を超えてより踏み込んだ交流ができます。
ブルジョワ: 私は日本語を話せないので、英語を話す学生と一緒にいることが多いです。授業や生活で不便を感じることはありませんが、もっと多くのネットワークを築きたいので、残りの時間で日本語を少しでも話せるようになりたいです。
ラグナー: 確かに、海外留学生はせっかくなら日本語を学ぶといいと思います。KMDには日本語を学ぶシステムや、日本人によるチューター制度もあります。オープンマインドで好奇心旺盛なら、さまざまな国の文化について学ぶ機会があります。ここは誰もがフレンドリーなので、積極的に行動すれば、KMDは世界中の友達を作るのに最適な場所です。
ノラスコ: 仲のいい日本人学生もいるけれど、もっとたくさんの学生と交流したい気持ちはあります。第一言語が英語でなくてもお互いを理解したいという意欲はある。あとはそれを行動に移すだけですね。
堀井: 異文化交流の環境は整っているけれど、それをどう使うかはその人次第。リアルプロジェクトでは、言葉の壁があってもやりたい方向が一緒であれば自然にコミュニケーションはできると思います。
堀井: まず、柔軟であること。KMDはバックグラウンドが異なる人とコラボレーションする機会が多いので、さまざまな意見に対して柔軟に対応したり、手を差し伸べる姿勢が大切です。それから、自分をよく知ること。情報量の多い環境なので、自分の軸がないとひとつに決められないんです。オーナーシップを大事に、最後までその研究をやり切る力は持っていたほうがいい。
ノラスコ: KMDは自分自身がイニシアチブをもって、やりたいことに専念することができる場所です。誰かに何かを与えられるのを待っていたら何もできないまま終わってしまいます。
山野: 入学前に在学生や先生に話を聞く。そして「入学したらこういうことをやる」というイメージを描いておくといいかも。KMDにはさまざまな分野、活動、学生がいて、チャレンジングな研究ができますが、目的がないとその環境を活かせないので。
浅田: 実際に僕が「やっておけばよかったな」と思ったのは、どんな学生がいてどういう研究をしているかを下調べしておくこと。2年間を有効に使うためには、どこに行けば何ができるかを知っておくと、入学してからスムーズに動けますよ。
ラグナー: ソーシャルロボットを介して、遠くにいる人でも近くにいるように感じられるようにする研究をしていて、今開発しているテクノロジーを未来で活用できるようにしたいです。
ノラスコ: 持続性科学(Sustainability Science)の分野で博士課程に進みたい。そして政府や企業がサステナビリティを推進していくための役に立ちたい。特に、日本を含むアジアに目を向けていきたいです。
ブルジョワ: メディアアーティストとしての活動を続けていきたいですね。できれば日本で会社を立ち上げて、ソーシャルメディアのインフルエンサーのコンテンツ作成を支援するのが夢です。日本のインフルエンサーが国際市場向けのコンテンツを作成し、国際的なインフルエンサーが日本のオーディエンスの興味を引くコンテンツを作成するのに役立てることができれば理想です。
山野: 卒業後はIT関連の企業に就職します。また地方をテーマにした活動をしてきたので、仕事をしながらでも地方や地元に貢献できる活動は続けていきたい。
浅田: まずは起業した会社を軌道に乗せたい。ユーザーと一番近い距離で対話し、一緒に何かをつくっていく。そういう会社やそういう人になることを目指していきます。
堀井: 自分のテーマが「境界線をなくしていくこと」、それはこの先も変わらないと思います。言葉の壁があっても海外の人が日本で暮らしやすくなるよう、ITの力で実現していきたいです。
※ 本記事は2020年11月に取材したものです。
将来の夢は?
5名の学生たちが本音で語ります。
博士3年
参加プロジェクト:Network Media
修士2年
参加プロジェクト:OIKOS
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
修士2年
参加プロジェクト:Global Education
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
加藤: 僕は入学当初VRとARを研究したくてKMDを選びました。修士から博士課程まで5年間KMDにいます。今の所属プロジェクトはNetwork Mediaで、メディアとインターネットの関わりについて研究しています。
ハリー: KMDに来る前にギリシャとドイツで建築や映画製作を学び、プロの映画製作者として働いていました。その後デザインのバックグラウンドとメディアを融合する方法をみつけるために、メディアデザインに転向しました。日本でリサーチをしたくて複数の大学を検討しましたが、より国際的なコミュニティ環境が整っているのと、身体性メディアこそ探し求めていたものであると感じ、KMDに決めました。
鍋島: 大学では経営学や統計学を学びながら、個人的に新しいスポーツをつくる活動に取り組んでいました。就職も決まっていましたが、ものをつくることにどっぷり浸りたいと思っていたときに、知り合いからKMDを紹介してもらいました。
張: 日本で玩具やフィギュアをつくる仕事をしていました。鍋島さんとは逆で、ずっとものをつくる仕事をしてきたけれど、もっと上流のことを知りたいと思って日本の大学院に行くことにしました。KMDに決めたのは、違う分野の人が一緒に研究していることに魅力を感じたからです。
池田: 私は大学時代に、不登校や引きこもりの子どもを支援する活動をしていました。どうしたらその人たちにもっと違う教育体験を提供できるかと考えて、最新のテクノロジーに触れたり、魅力的な学習をつくるプロセスを勉強したいと思いました。大学時代のメンターにKMDのことを教えてもらって興味を持ちました。
ハリー: 私はキネティック(動的)インタラクティブ空間についての研究をしていて、今は修士論文のためのプロトタイピングが佳境です。ただ研究室にこもっているのではなく、フィールドワークとしてデザインや建築の展示を見に行ったり、日本の伝統文化にも興味があって、和太鼓や三味線のグループでも活動しています。睡眠時間を確保するのが大変です(笑)。
鍋島: 僕は今、人間の尻尾をつくる研究をしています。KMDにあるハッキングスタジオという工作室でずっと作業していますが、それ以外は、課外活動として社会福祉と絡めて新しいスポーツをつくったり、社会人チームでハンドボールをやっています。
池田: 今は、自分がつくった教育プログラムをベトナムの孤児院で実行する準備とカンファレンスの発表準備で忙しくしています。それ以外はプロジェクトのメンバーと交流したり、KMDにあるメディアスタジオで機材を管理するアルバイトをしています。
加藤: 僕は博士課程なので、KMDでは給料をもらってリサーチャーとして働き、他大学でもアシスタントや非常勤講師として授業をしています。博士課程ではそうした働く学生や、社会人も多いのではないかと思います。
加藤: 毎年リアルプロジェクトの研究成果を発表する「KMDフォーラム」はほかにはない楽しいイベント。最初に参加したときは、留学生と英語で話す機会がすごくて多くて圧倒されました。
池田: KMDとスタンフォード大学による「ジョイントプロジェクト型グローバルラーニング」というプログラムですね。日本で2週間、アメリカに2週間滞在し、スタンフォードの学生と一緒に本場のデザイン思考を学びながら新しいプロダクトをつくりました。とても楽しかったです。
張: 僕は、「GID(グローバルイノベーションデザイン)」という交換留学のプログラムで、KMDとニューヨークとロンドンの3拠点に滞在して学びました。欧米に行くのが初めてだったこともあり、多様なカルチャーに触れて刺激を受けました。
鍋島: イベントではないですが、1年次の「イノベーションパイプライン」という必修授業が強く印象に残っています。KMDで必要なデザイン、テクノロジー、マネジメント、ポリシーについて学び、最終的にチームでプロトタイプ制作に取り組み、プレゼンまでします。バックグラウンドの全く異なる学生たちと密度の濃い議論をし、刺激的な時間でした。
池田: 入学したときには英語力が全くなく、しかも英語しか使えないプロジェクトに所属しました。片言でコミュニケーションするうちに、周りもサポートしてくれて、英語力も高まったのではないかと思います。
加藤: 最低限の英単語と身振り手振りでなんとかなるものです。自然に単語も覚えていくし、困ったら一緒に飲みに行くのがおすすめです。
ハリー: プレゼンやリサーチでは多言語のチームでコラボレーションします。日本語は難しいですが、日本人の友人や学生とできるだけ日本語でコミュニケーションを図り、日々勉強しています。海外学生とは英語、ドイツ語、そして時にはスペイン語で会話しています。とは言え、文化的背景まで理解しないと深い意思疎通はできないと痛感していて、いつもベストを尽くしています。文化を理解することと言語を学ぶことはセットだと思っています。
加藤: KMDは教授陣も含めて、その人に「あう、あわない」がはっきりしている学校。入学を決める前にKMDのこと、教授のこと、研究内容などをしっかり調べたほうがいいと思います。
張: ウェブサイトや説明会だけでなく、実際にKMDフォーラムでリアルプロジェクトの成果を見たり、在学生に話を聞く機会をもつことが大事です。
鍋島: 入学後はあっという間に2年間終わってしまうので、有意義な時間にするためには、「自分はこれをやりたい」というイメージを掴んでおくことですよね。
池田: KMDは全部をなんとなくこなせるよりも、ひとつの強いところを使って皆とコラボレーションしていくことに意味があります。KMDを目指す人は自分の強いところに焦点を当てて、磨いていくといいと思います。
ハリー: 入学したら、KMDが提供するプログラムや環境をよく理解し、あらゆるスタジオやラボなども使い倒して自分のプロジェクトに生かしてください。KMDはたくさんのリソースを提供してくれます。有効に活用してください!
池田: 不登校や教育格差に関心があってKMDに入り、その気持ちは変わっていません。これからもそうした子どもたちの教育を支援したり、将来的には、自分のしたい学習をできるような教育機関をつくりたいです。
ハリー: デザインとテクノロジーを融合し、分野の垣根を超えたプロジェクト、とりわけテクノロジーをインビジブル(不可視化)していくことにフォーカスしたもの、つまり目には見えないけれどそこにあって、人々の生活をよりよくしていくようなプロジェクトに取り組んでいきたい。すでにここで活気ある研究グループに所属していて、リソースや機会にも恵まれているので、引き続き日本で研究を続けていく予定です。
鍋島: 入学したときはまさか尻尾をつくるとは思いませんでした。自分が考えたことを形にできるのは、とてもわくわくします。卒業後は社会人として働きますが、これからもライフワークとしてものをつくり続けていきたいです。
加藤: KMDに来て思ったのは、これだけ多様な人たちが集まっているのに、本当にみんな仲がいいんですよ。僕は日本が好きだけれど、日本の組織は競争ばかり。もっとお互いのことを知って、みんなが仲良くできる国をつくりたいです。
張: ずっと日本で玩具の仕事をしてきましたが、閉鎖的な雰囲気がありました。それはほかの業界も変わらないと思います。KMDではたくさんコラボレーションの機会があって多くを学んだので、これから色々な業界の人たちが手をつなげるように、貢献していきたいです。
※ 本記事は2019年11月に取材したものです
将来の夢は?
学生たちが本音で語ります。
修士2年
参加プロジェクト:Policy Project(Digital Kids)
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
修士2年
参加プロジェクト:CREATO!
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
修士1年
参加プロジェクト:Policy Project(Digital Kids)
刑部:大学時代、教育学部で音楽を担当するなかで、もっと子どものクリエイティビティを高めていく活動をしたいと考えていました。そんなときに石戸奈々子教授の書籍と出会い感銘を受け、海外の先進事例を学んだり、クリエイティブワークショップなどを実践したいと思ってKMDに入りました。
中村:東京高専の4年次にインターンシップとして約1カ月間KMDに通っていました。KMD生と一緒に触覚に関する研究をし、国際学会にも行きました。そのときに「大学院って面白いな」と思い、入学を決めました。
シャーク:小さい頃から日本のアニメやビジュアル系バンドが好きで、日本語も勉強していました。交換留学で1年間慶應義塾大学に通い、ほかの留学生から「KMDが面白い」という噂を聞いていたんです。ビジネス、デザイン、エンジニアなど色々な分野の人が集まっている環境も魅力的でした。もともとデザインにも関心があったので、KMDでなら日本語とデザインへの関心の両方を満たすことができると思ったんです。
チェック:私は、年齢を重ねることを積極的にとらえる、ポジティブ・エイジングを研究しています。現在は高齢者向けのコミュニケーションツールを開発しています。例えば、高齢者のユーザーが語る昔話を録音し、触覚や音声のフィードバックを付け加えて、思い出を追体験したり、それを誰かと共有できるような「アルバム」をつくっています。
小宮:STEAM教育(科学、技術、工学、数学に芸術を加えて統合的に学習する教育手法)を研究しています。僕は高専出身なので高専というフィールドを使って、例えば高専の学生と小学生をマッチングしてプログラミング教育をもっと面白くするような研究を進めています。
中村:ものの表面の触り心地を振動としてデータ化し、動画や音声などと同じように共有する方法を研究しています。例えば、猫カフェで猫を撫でたときの感覚を、動画と一緒に保存してシェアするといったプロジェクトは面白かったです。
シャーク:ビジュアルのないARゲームを開発しています。ビジュアルの代わりに、振動や温度、音声など複数の感覚を組み合わせて、イメージや感動を発生させたり、人をナビゲーションする研究をしています。
刑部:今は、英国など海外の事例を参考にしながら、日本の未就学児にプログラミング教育を取り入れることを研究しています。保育園との共同研究で、実際に子どもたちにプログラミングの授業をしながら、現場の先生たちが活用できるカリキュラムや教材をつくっています。
刑部:私は研究と論文執筆のあいだに、海外の教育ツールをプロモーションする会社でPRの仕事をし、さらに学内のスタジオで楽器や撮影機材などを管理するアルバイトなど、色々なことをしています。とても忙しいです(笑)。
中村:Embodied Media の拠点は日吉のほかに渋谷(Living Lab Shibuya)とお台場(Cyber Living Lab)にもあって、例えば、渋谷で企業とミーティングをした後、日吉に戻って実装作業をするなど、機材や会議に合わせて移動することが多いです。1日に3拠点を回ることもあります。
小宮:僕は研究活動のほかに、Keymakersというブロックチェーン開発者向けのコミュニティの副代表を務めていて、今はその活動がメイン。開発者向けに勉強会を開いたり、事務局を立ち上げたり。基本的には教材をつくって、教育することを中心とするコミュニティなので、自身の研究テーマでもある小学生のSTEAM教育にもつなげていきたいと思っています。
シャーク:1年目は午前と午後に授業があって、その後グループワークをしたり、KMDのプロジェクトルームで別プロジェクトの学生と交流していました。その後GIDプログラム(デザイン・文化・産業の中心である3都市を結ぶデザイン教育のプログラム)でパートナー校のあるロンドンとニューヨークで過ごし、5月に日本に戻ってきました。今は、自分の研究と論文執筆に集中しています。
シャーク:ヨーロッパやアメリカの大学はとにかく宿題が多くて大変です。毎日徹夜してがんばって授業に行って発表する。KMDは全く違うので驚きました。コンセプトを学んで、自分のプロジェクトは自分で考えるスタイル。
チェック:先生がさまざまな分野でよいコネクションを持っているので、研究のためによいパートナー企業を見つけてきてくれます。今は、フィールドワークで毎週老人ホームに通って、医師が入所者を検診する様子を調べていますが、それもパートナー企業の協力を得て行っています。
チェック:少しだけ日本語が話せるので、生活も研究もなんとかなっています。ただ、研究対象である日本の高齢者とのコミュニケーションは日本語が堪能でないと難しいので、パートナー企業に助けてもらっています。
シャーク:全く日本語を話せないと生活面では少し苦労するかもしれません。その場合は、一緒に役所に行ったり、家賃の払い方を教えたり、お互いに助け合っていますね。
刑部:英語と日本語が基本ですが、留学生が多く所属するプロジェクトは完全に英語だったりします。世界中の様々な国から留学生が来ているので、英語以外の多様な言語も常に飛び交っていて、とてもグローバルです。
刑部:やはりKMDフォーラムですね。学生のお祭りであり、研究成果発表の場です。学生が主体となってイベントをマネジメントし、広報もします。私もコアメンバーとして半年前から準備をしてきました。今年は10周年記念としてKMDの軌跡を紹介したり、IDEOのティム・ブラウン氏の基調講演を行い、1,000人以上が来場して盛り上がりました。準備は大変ですが、来場者から自分の研究についてフィードバックを得られたり、たくさんの人が集まるこの機会を生かして研究データを取ることもできるんです。
シャーク:入学する前に、できるだけ早く、自分のテーマを決めること。2年という時間は本当に短いので。
小宮:KMDの説明会を聞いて「自分に合っている」と思ったら、まずはそれが大きな一歩です。入ってからは、「僕はこんなことをやってきたから、一緒に何かやろうよ」という自己表現、自己主張が大事かもしれません。
中村:KMD以外の場所でのインターンや活動を生かして、学生同士で新しいプロジェクトを立ち上げるケースもけっこうありますよね。
刑部:KMDにはコラボレーションやチャンスがいっぱいあります。でも誰かが与えてくれるわけではないので、自分で掴まないといけない。学校というよりは大きなコミュニティという感じなので、自分からアクティブに動ける人でないと、チャンスを逃してしまうかも。でも、楽しく積極的に行動できる人は、必ず花開くはずです。
チェック:私は勉強が好きなので、これからも色々な研究を続けていきたいと思っています。
中村:エンジニアとしてネットワーク系の企業に就職します。KMDで培ったコミュニティを生かして社会貢献をしていきたいです。
刑部:来年度からは、現在勤務している会社のeducation specialistとして働いたり講師として活動したりすると同時に、KMDの博士課程に進学することになったので、今の研究をより発展させて専門性を磨いていきたいです。
シャーク:私は憧れていた日本のゲーム会社に就職が決まりました。ゲームビジネスの企画制作を通じて、世界中のゲームを繋げていきたいです。
小宮:電子制御から、VR、AI、ブロックチェーンまで、とにかく色々なことに触れてきました。それらを生かしながら、「社会を少しでも豊かにする」というビジョンとともに、さまざまな人を繋げる役割を担っていきたいです。
※本記事は2018年11月に取材したものです。
修士2年
参加プロジェクト:OIKOS
修士2年
参加プロジェクト:OIKOS
修士2年
参加プロジェクト:Global Education
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
修士2年
参加プロジェクト:Embodied Media
樋口:私は大学の法学部に在学中、スタンフォード大学のd.スクールでデザイン思考に出会い、その興味を深めて社会に役立つ仕組みを追求したいと考えていたのですが、それにKMDがぴったりだったのです。
保坂:僕はニュージーランドの大学で経済を学ぶ一方、演劇とスタンダップコメディの分野でも活動していたので、その両方から社会的な問題に取り組めるKMDを選びました。
フー:アメリカの大学在学中に慶應義塾大学に交換留学をして以来、日本で働きたいと考えるようになり、そのためのスキルを身につけ、専門の言語学を活かしたくて入学しました。
パーソン:カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校では認知科学と心理学を学んでいました。KMDを選んだのは、バーチャルリアリティのデザインをもっと学びたかったことと、それまで知らなかった文化や環境に身をおいてみたいと考えたからです。
松園:工学系エンジニアリングを専攻していた大学在学中、KMDでインターンシップをする機会がありました。そのときに、デザインが社会でどのように役立ち、誰を幸せにできるのかを考えてものづくりをする充実感を経験したのがきっかけでした。
樋口:1年目は10月まで毎日、必修授業があるのでグループワークとディスカッションの日々でした。秋学期以降は各自が取り組むリアルプロジェクトがメインになります。私は奥出直人教授の「OIKOS」に所属していて、勉強会やミーティングのために1週間のうち5日は学校にいますし、企業との打ち合わせで外出も増えるからハードです。
フー:研究室によってだいぶ違うよね。私は大川恵子教授の「GlobalEducation」に取り組んでいて、教育研修をデザインするためのワークショップ運営が多いのでチームワークは欠かせません。だからたいてい大学にいます。大学にいると、いろんな人をつかまえて専門的な意見を聞けるし、情報交換ができるのです。
パーソン:僕は大学にあるプロジェクトルームのような専用設備も活用するけれど、ほとんど渋谷にある身体性メディアの「Haptic Design Lab」(触覚のデザインラボ)にいることが多いかな(笑)。KMDの「イノベーションパイプライン」の授業では、ポイと呼ばれる伝統的なパフォーマンス・ジャグリングの道具を使ってバーチャルリアリティ体験をするという新しい挑戦もあったし、企業の難しい課題へ取り組むプログラムもあって、目まぐるしく感じることもありました。
松園:学会に論文を投稿する直前は1週間も家に帰れないほど忙しいこともあるよね。僕が所属している南澤孝太准教授のプロジェクトは、KMDと日本科学未来館が活動拠点なので、週に2〜3日はお台場へ通っています。そこでは企業の人たちと一緒に働く社会性が求められるから、大学にいるのとは違った刺激があります。
松園:入学直後に実施される2泊3日の合宿「クラッシュコース」が特に思い出深いです。異なるバックグラウンドを持つ人たちと出会ってすぐに、力を合わせて何か新しいことを生み出すことを実体験で学びました。それに、先生方も含めてみんなお酒が強くて(笑)。明け方まで飲み続けても、朝9時にはコースをスタートするという、オンオフの切り替えがはっきりしている場なんだと実感しました。
フー:「クラッシュ」には、入学者の固定概念にショックを与えて砕きたいという目的もあるよね。難関にチャレンジして、試練を乗り越えるための合宿だったと思います。
樋口:私はKMDフォーラムの運営に携わったことが良い経験になりました。11月開催のために6月から準備を始めて、広報やデザインを含めた実施までのすべてを自分たちの手でつくり上げるイベントは、学生が責任を持って働かないと成立しません。研究室の枠を超えてコラボレーションできたのは達成感がありました。
パーソン:一緒にプロジェクトを遂行する目標があれば、言葉の壁を感じることはさほどないけれど、もっと日本語を勉強しなくてはならないことは間違いない! リアルプロジェクトでは、英語と日本語が混じり合いながらもうまくいくことも多いからね。
フー:私自身も留学生ですが、KMDに入ってからスタンフォード大学でのデザインのプログラムに参加して、プロトタイプまで完成させました。KMDのなかに限らず、お互いに協力する姿勢はどこでも必要ですよね。
樋口:私はGIDプログラムに約1年間参加して、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートとニューヨークのプラット・インスティテュートで半期ずつデザインを勉強してきました。日本と全く違うプロジェクトの進め方は刺激になるし、留学生が多いだけじゃなくて自分も海外留学を経験できるのはKMDの一番良いところかもしれません。
保坂: 僕自身はCEMSプログラムを活用して、1学期目はカナダ、2学期目はシンガポールのビジネススクールに3カ月ずつ通いました。31カ国の学生と交流しながら、自分の強みや弱点を客観的に把握できたことで、今後の方向性も見えて貴重な経験になりました。
樋口:1割くらいの学生が働いていると思う。起業したワーキングマザーもいるし、他大学に比べると多いほうだと思います。
フー:在学中に起業する人もいるし、専門性を活かした研究を深めて、論文にまとめる目標を定めている人もいて、仕事のために人脈を築く人もいます。
松園:忙しくても、授業はすべてビデオアーカイブで見られるから続けられるんだと思う。過去の授業にもアクセスできるから、とても便利。逆に、自分の論文発表も残るのは緊張感があるけど(笑)。
パーソン:大学院だからひとりで研究することが多いイメージだったけど、実はコミュニケーションスキルが上がりました。言葉だけじゃなく、プレゼンテーションで自分のアイデアを効果的に表現するといった、ビジネスで役に立つようなものです。それと、誰もが違う才能を持っていて、自分だけではできなかったことも協力し合って実現できる素晴らしさは想像以上でした。僕自身で言えば、ソフトウェアができるだけじゃなくて、ハードまで考えるようになったことも大きいです
フー:私も同感です。入学前はデザインのスキルがないと困るかと思っていましたが、実際には周りの力を借りながらプロジェクトを進めればいいんだとわかりました。学生同士で助け合えます。
松園:良い意味で意識が高い人が多くて、みんな積極的ですね。
樋口:入学当初は、これほど考え方が違う人がいるなんて!と衝撃を受けましたが、自分が常識だと思い込んでいたことが通用しない分、新しい価値観を受け入れたときに成長を感じられました。
樋口:自分が変わることを恐れないのが大切です。こだわり過ぎず、多くの考え方に触れて、興味を持って、変わっていく体験を楽しんでほしいですね。
フー:日吉は楽しくて、外国人にも親切な街なので、KMDの近くに住むことをお勧めします(笑)。留学生にとっては、奨学金の種類も豊富だし、構内にクリニックも併設されているから、安心です。KMDは24時間空いていて、いつでも活動できる環境があります。
保坂:リアルプロジェクトを選ぶときには、自分がやってみたいことと照らし合わせてよく考えてください。僕は入学後にデザイン思考のプロジェクトへ変更したのですが、それまで経験のなかった領域なのでとてもチャレンジングでした。また、研究室の雰囲気を知った上で決めることも大切だと思います。
樋口:デザイン思考を活かしたイノベーションやサービスデザインに関する知識とスキルを活かして、人や社会に役立つ国際的な仕事をしていきたいと思っています。
フー:KMDの先生になって、グローバルエデュケーションで培ったワークショップを次世代へバトンタッチしたいです。実は4月から出版社への就職が決まっていますが、KMDに戻って研究を続けたい気持ちも強いです。
保坂:ざっくりしていますが、何かひとつ、人生の中で成し遂げたいです。卒業後に働く予定のIT企業でも、あるいは別のフィールドでも、自分が納得いくまで突き進んでベストを目指します。
パーソン:今年日本で会社を起こしたので、卒業後はその仕事をします。将来的にはアメリカに戻って働くかもしれないけど、どこにいたとしてもここと同じように国際交流をしていきたい。これまで存在しなかったタイプのコミュニティを実現させるのが夢です。
松園:世界の人々に親しまれる「新しい何か」を生み出したい。KMDで取り組んだことと自分の専門分野であるテクノロジーを合わせて、いまの世の中に存在しないものをつくり上げてみたいです。
※本記事は2017年11月に取材したものです。
修士2年
参加プロジェクト:PLAY
修士2年
参加プロジェクト:Superhuman Sports
修士2年
参加プロジェクト:OIKOS
修士2年
参加プロジェクト:Global Education
修士2年
参加プロジェクト:Global Education
島田:1年目と2年目でかなり違います。1年目は授業もあるので朝から大学に来て、授業の準備やグループワークのミーティングをしたり、KMDフォーラムなどの手伝い、インターンの提出物を作成したりで、結局夜までずっと残っている感じです。2年目になると、リアルプロジェクトのコラボ相手との打ち合わせや作業が多くなったので、1日中学校外で活動することも増えました。
折笠:私が所属している「超人スポーツプロジェクト」は、拠点がいくつもあるので、違う場所にいることが多いんです。中村伊知哉先生のオフィスで会議することもあれば、企業の人たちと行動することもあり、岩手県とのプロジェクトでは何度も現地へ行きました。もちろん、学校で作業する日もあります。
油木田:KMDは、状況によっていろいろな場所になるイメージです。大学であるだけでなく、家のようでもあり、ワクワクすることが起きる遊び場でもあり、時にはオフィス、工房でもあります。大学から「打ち合わせに行ってきます」と出かけて、終わったら「ただいま」と帰ってきて。そこにいる仲間たちとしゃべりながら、ご飯を食べて(笑)。
イアン:そう、確かにね。4人しかいないプロジェクトでは、いつも全員が大学にいて家族のような雰囲気がありました。私はエリクソンとプロジェクトをしているので、スカイプでのミーティングも多いんです。
イアン:特に思い出深いのは、2016年11月に開かれたKMDとIEとのビジネスベンチャーデイです。スペインのビジネススクールから講師の先生が来て、ベンチャー的な視点から1つのアイデアを発展させていくプレゼンテーションが行われました。スタートアップには必要不可欠なスキルを教わることができ、将来的に重要な経験になると実感できる1週間でした。
島田:KMDフォーラムの運営に関わったことが、大変でしたが良い経験になっています。私は、KMDについて知ってもらえるように、先生や卒業生にインタビューして記事をつくり、ウェブにアップする仕事を担当しました。インタビューをして文字起こしをし、記事を制作していたころは特にタフな毎日でした(笑)。でも卒業生と知り合えたり、教授のことをより知るきっかけにもなったのが良かったですね。
折笠:KMDフォーラムは、いろいろなプロジェクトの枠を超えて関われるので楽しいよね。“KMD総力戦”という感じで密度の高いイベントだと思う。私は、デザイン面の手伝いとして、ロゴやビジュアルデザインに関わりました。
島田:留学生とは、言葉の壁を超えて協力し合う雰囲気があります。9月入学の留学生に加えて、CEMSとGIDプログラムに参加している留学生もたくさんいます。
油木田:僕はGIDプログラムを利用して、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートとインペリアル・カレッジ・ロンドンで4カ月、ニューヨークのプラット・インスティチュートで4カ月、デザインを勉強してきました。GIDがあるからKMDに入ろうと思った、というのも理由の1つです。直接、RCAに入学する選択肢もありますが、どちらにも通えるのがメリットでもあります。入学して4カ月後には海外へ行って、8カ月で「デザインとはなんぞや」という真髄に迫る勉強ができました。
コムキッド:私自身が留学生でもありますが、KMDに入ってから、アメリカのスタンフォード大学と日本で2週間ずつ、合計4週間にわたるデザイン思考をベースにしたプログラムにも参加しました。短期プログラムは単位になるのが良いところだと思います。
イアン:私は1年目の1学期と2学期にできるだけ多く単位を取って、3学期は週に3日は大学、他の日はスタートアップのために働く、という生活でした。社内トレーニングのシステムを構築したのですが、働きながらKMDに通うのは不可能ではないです。ただ、おすすめしませんね。休めないから、ストレスレベルが天井より高くなってしまった(笑)。
島田:私は1年のときに半年間ほど、広告代理店の社内ベンチャーの立ち上げに関わるインターンシップをしました。業務内容が自分の研究と関連があったので両立は大変でしたが、良い経験になりました。出版社で働きながらKMDに通っている学生もいるので、刺激を受けます。
油木田:KMDの学生だからできる仕事があると思う。研究を活かすためにも、外へ出て経験を積むのは良いんじゃないかな。
コムキッド:入学前は、他のプロジェクトともコラボできるかなと想像していましたが、実際には自分のプロジェクトで精一杯です。
折笠:実は、大学院だから暇だと思い込んでいたのですが(笑)、特にパイプラインのプログラムは毎日朝からみっちり授業があるので驚きました。先生との距離感が近く、仕事上のパートナーのような感覚で関わることができるのは嬉しい。
イアン:もちろん先生にもよりますが、自分が所属するプロジェクトではない先生に相談できる雰囲気があるので、自分が積極的になれば受け入れてもらえます。それから、先輩から得ることも多いですね。香港からの留学生にデザイン思考について深く教わることができたのが良かったです。
島田:みんな、キャリアも個性もバラバラ。向かっている方向も違うので、グループワークでは苦労する場面もありましたが、人のマネジメントを考えるトレーニングになりました。
油木田:工房やプログラミングをフォローする機能は、もっと欲しいかな。2年間は工房を使い放題なので、実践的な指導が受けられればさらに充実できると思います。
島田:KMDは発展途上の大学院なので、目標を見失うとフワフワしちゃうこともあります。目的意識をはっきり持ってから入学してください。
イアン:プログラムやプロジェクトがたくさんありますから、すべて1回体験してみると何か掴めるはずです、ビジネスに興味がなくても、自分を知るために、まずは経験してほしい。
コムキッド:パッションを持って、何にでも挑戦してほしい。私は春に入学したので準備期間が短くて、コミュニケーションが取りづらく辛いことも多かったけど、挑戦して良かった。
折笠:口と頭だけじゃなくて手を動かせよ、としょっちゅう言われます。KMDでは社会に貢献してこそ意味があるので、自分の手で生み出す喜びを知ってください。
油木田:そうだね。工房はみんなもっと活用すべき!
コムキッド:あくまで理想ですが、自分も他の人も、教育の力でハッピーにしたい。学校にもっと楽しいプログラムを提供して、新しい教育を考えたいと思っています。
イアン:私は就職が決まり、春から情報セキュリティ会社に勤めます。仕事を通して、日本の幸せなサラリーマンになるでしょうね(笑)。
島田:どんな会社に入るにしても、起業するにしても、新しい価値や人々を幸せにできることを提案しつづけることができる仕事がしたいです。
折笠:卒業後は、クリエーションカルチャーやコミュニティのデザインに取り組んだKMDでの経験を活かしながら、今まで気づかなかった価値を見出し、伝えていくような仕事をしていきたいと思っています。
油木田:例えるならば「ホグワーツ魔法学校」のような教育機関をつくりたい。KMDは今までの僕の人生の中で、とても幸せな時間だったのですが、その理由の1つはペーパーテストがなかったから。それならば、テスト以外の方法で子供の魅力や能力を引き出して、評価できる学校がつくれるんじゃないかと。卒業後はクリエイティブエージェンシーで働く予定ですが、いつか理想を形にしてみたいですね。
※本記事は2017年2月に取材したものです。
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星野 新
日本
CAREER 2020年4月入学、2023年3月修士課程修了
KMDでは佐藤先生率いるITOMAでサービスデザインの理論を学び、空港での経験設計やサイバーセキュリティ業界の業務可視化の研究を行いました。また、2年目からはCEMS修士号のため欧州とシンガポールで学びながら働き、国境を超えて活躍する仲間と出会い、切磋琢磨するようになりました。
KMD卒業後は、CEMSの同期とともに戦略コンサルティングファームのシンガポールオフィスに就職し、国際進出戦略に関わるプロジェクトを担当しました。現在はUAEに拠点を移し、公的部門のイノベーションを中心とした政策顧問をしています。今後は自分のルーツであるテクノロジーへの情熱と、未来社会を構想し具現化するKMDの“MediaInnovator”としての側面を融合させ、中東や北米で未来都市の経験設計に関わる仕事をしたいと考えています。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
根本 貴弘
日本
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了 / 2011年4月入学、2014年3月後期博士課程所定単位取得退学、2017年2月博士学位取得
KMDでは、それまで学んできたデザインや国際協力の分野から離れて、杉浦先生や加藤先生らの指導のもと、インターネット技術の分野について学びました。新たな分野への挑戦は苦労も多かったですが、多様性とコラボレーションを大切にするKMDカルチャーに触れ、単に技術を学び国際標準をつくるだけでなく、グローバルに活躍するためのセンスも磨くことができました。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
宮北 剛己
日本
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了 / 2012年4月入学、2018年3月後期博士課程修了
その後、博士課程では大川先生の指導のもとDigitalPublicHumanitiesの分野で、文化資源のデジタルアーカイブに関するデザイン理論・手法をテーマに研究を行い、現在は慶應義塾に新設された大学美術館ミュージアム・コモンズで専任講師として展覧会のデジタル展開、FabLabの運用や中学生から大学生の教育活動に携わっています。
振り返ると、私の場合KMDでの経験すべてが現在の仕事に繋がっており、なかでも他者との共創を通じた学びや気づきを、今も何より大切にしています。自分ひとりでは不可能なことも、ここKMDに集まる人たちの力で成し遂げられた、そんなかけがえのない場所です。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
小西 由香理
日本
CAREER 2015年4月入学、2017年3月修士課程修了
卒業後はゲーム会社に入社し、現在はゲーム機のシステムソフトウェアやSDK(ソフトウェア開発キット)、周辺機器などの開発に携わっています。KMDで培ったデザインの視点を活かし、どのような体験をユーザーやクリエイターに届けるのかを考えながらエンジニアリングに励んでいます。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
ハン ソクジュ
大韓民国
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了
KMDには2009年に第2期生として入学し、ポリシープロジェクトで、主に民間と公共セクターとの共同プロジェクトに参加しました。複雑な状況を理解し、適切にコミュニケーションを取りながら世の中にリアルなインパクトを与える経験は貴重な機会でした。このような経験はKMDでしか得られないと思います。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
田村 淳
日本
CAREER 2019年4月入学、2021年3月修士課程修了
KMDで在学中に学んだ「データの見方、取り扱い方」は特にメディアの仕事をするうえで役立っています。正しいデータは発言に説得力を与えるので武器にもなりますが、一方で改ざんされたデータを使ってしまうとミスリードにもなり得ます。データのソースはどこなのか? 誰かの感情が乗ったデータになってないかと気にするようになり、日々の発言が変化したと感じています。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
塚越 さくら
日本
CAREER 2017年4月入学、2019年3月修士課程修了
在学中はNetworkMediaプロジェクトで砂原先生や加藤先生にご指導いただきつつ、SecCapのプログラムにも参加しました。
KMDは新しい扉を開くチャンスを与えてくれる場所だと思います。単純な知識だけでなく、世代やジェンダーを問わないさまざまな属性の人々とのつながり、チャレンジしつづけることの重要性を学ぶことができました。KMDでの経験がなければ今の自分はなかったと言っても過言ではありません。
現在は、KMDで学んだグローバルな視点やコラボレーションの重要性を胸に、セキュリティエンジニアとして日々進化するサイバー攻撃の脅威から会社や顧客を守るために精進しています。
(本記事は2024年3月に作成されたものです。)
林 暁慧
中国
CAREER 2017年4月入学、2019年9月修士課程修了
現在は東京を拠点に、外資コンサルティングファームでフューチャーデザイナーとして働いています。KMDでの経験から学んだ「実践から学ぶ」「ストーリーテリングと遊び心でエンゲージメントを高める」「未来志向とグローバルな視点でリードする」という3つの重要な原則に基き、日々複雑な問題やビジネスプロフェッショナルと向き合っています。
(本記事は2023年3月に作成されたものです。)
前川 マルコス 貞夫
ブラジル
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了/2010年4月入学、2013年3月後期博士課程所定単位取得退学、2016年2月博士学位取得
修士号と博士号を取得後はKMD に専任講師として、GID、CEMS、KMD-Stanford の国際プログラムを5年間担当しました。
現在は、オーストラリアに拠点を置くAPNIC 財団で、研究・教育開発プロジェクトオフィサーとしてアジア太平洋地域のインターネットやインフラ関連のプロジェクトを支援し、日本と本部の橋渡しや、プロジェクト活動のコンサルティングなどをしています。KMD での経験はデザインに関するビジョンを広げ、グローバルな環境で働くために不可欠な多様性の尊重とコラボレーションの重要性を学びました。
(本記事は2023年3月に作成されたものです。)
オケラナ ジミー
アメリカ
CAREER 2014年9月入学、2016年9月修士課程修了
PLAY プロジェクトでは、稲蔭教授の指導のもと、アート、サイエンス、デザインが融合した、新たなテーマやインタラクティブな技術を探求する機会を得ました。常に学び続ける姿勢に励まされ、生涯の師となる人たちとの出会いがあり、そこでうまれた作品と哲学は今も私の指針となっています。
卒業後は、インタラクティブデザイナー、クリエイティブディレクターとして、日本のスタートアップエコシステムの一翼を担い、東京に制作スタジオを設立し、地域経済の活性化に力を注いでいます。いま、チームを管理しプロジェクトをゼロからつくり上げる立場から言えるのは、KMDでの経験が常に新しい扉を開き、素晴らしいチャンスを与えてくれているということです。
(本記事は2023年3月に作成されたものです。)
ドレ ロドリゲス、グスタボ
ブラジル
CAREER 2009年9月入学、2011年9月修士課程修了
KMD で学んだことを活かして、現在、日本のスタートアップ企業で創業者兼CEO を務めています。人事関連のソフトウェアをつくり、従業員約30名、顧客数は全世界で700社、ユーザー数は40万人に達しました。嬉しいことに増え続けています。
KMD は、私に想像以上の体験を与えてくれた場所であり、私の生活を支えてくれている親友たちと出会わせてくれた場所です。
(本記事は2023年3月に作成されたものです。)
村井 裕実子
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
KMDでは、大川先生や奥出先生らにご指導いただきつつ、テクノロジーを使ってアートやデザインを学ぶ機会をいかに創出できるかを研究してきました。在学中はとにかく忙しくてカオスな毎日でしたが、振り返ると、領域を超えて問題と解決策を捉えていく思考力と、浮かんだアイデアをとにかくまずは試して、実現していく実行力を鍛えていただいたような気がします。
(本記事は2023年3月に作成されたものです。)
木下 紫乃
日本
CAREER 2013年4月入学、2015年3月修士課程修了
そのようなとき、KMDに出会い、アカデミアの世界において、その専門領域のなかに閉じず、むしろ外と繋がることで新たな問題解決の方法を見出すことを探求する研究科としての姿勢に強く引かれました。
卒業後は、さまざまな人々のスキルや能力、持ち味を引き出しつなげて課題を解決していくというKMDでの学びをもとに「ヒキダシ」を起業し、企業研修や、あるいはスナックという業態を通してさまざまな人をつなぐハブをつくる活動をしております。世代やジェンダーを超えてさまざまな能力が繋がることの重要性はKMDで学んだ大きなことのひとつです。
(本記事は2023年3月に作成されたものです。)
ボンソワイ アレキサンドラ
ラオス
CAREER 2008年9月入学、2010年9月修士課程修了/2010年9月入学、2013年9月後期博士課程所定単位取得退学
オンラインで大学を探しているときに KMDのことを偶然知りました。マネジメント、デザイン、テクノロジー、そしてポリシーという4つの異なる領域に取り組むことができるという点に魅力を感じたのです。KMDではイノベーションと最新 のトレンドや文化、テクノロジーが重視されていて、指導教員の稲蔭正彦教授は、意外性のないアイデアレポートやワークプロジェクトでは認めてくれず、不可能に思える発想ほど評価してくれました。私はこの考え方に出会うことができて本当に幸運でした。
現在、自社で取り組んでいる革新的なプロジェクトの多くにこの考え方を取り入れており、クライアントからも評価されています。KMDでの学びは、常識はずれな発想を実現するための力を得る旅だったのです。
(本記事は2022年3月に作成されたものです。)
許 俊寧
韓国
CAREER 2013年4月入学、2016年3月後期博士課程所定単位取得退学、2019年2月博士学位取得
KMDは技術とデザイン思考を融合させた教育カリキュラムによって、今まで経験したことのない学問の世界に導いてくれました。自分の研究テーマを積極的に実現する方法を学んだのです。
2019年に博士号を取得し、現在は韓国の大学でビジュアルデザイン学科の准教授として教鞭をとっています。「広告メディアデザイン」というテーマで学生たちを指導していますが、これは KMD時代から続けてきた研究です。KMDでの経験から、「挑戦するのに遅いことはない」と、学生によく話をしています。
(本記事は2022年3月に作成されたものです。)
サルセド ナウエル
アルゼンチン
CAREER 2012年9月入学、2014年9月修士課程修了
杉浦教授は私の目標や能力、不安を理解し、適切なタイミングで適切な環境を用意してくれました。親身につながりをもってくれたおかげで、KMDでの学びは人生のなかで最も実りのあるもののひとつとなりました。
現在は東京アートディレクションスタジオ Onesal(ワンサル)の創設者兼クリエイティブディレクターとして、アーティストや技術者、プロジェクトマネージャーからなる国際チームを率いています。Onesalでは、アマゾン、アップル、ソニー、ユニクロ、デロイトなど、さまざまな先進的なブランドの映像制作やアートディレクションを行っています。われわれのコアバリューは、視覚的なイノベーションを通じ、美しい方法で未来を視覚化することにあります。
(本記事は2022年3月に作成されたものです。)
ターク ベンヤミン
ドイツ
CAREER 2012年4月入学、2014年3月修士課程修了/2014年4月入学、2019年3月後期博士課程修了
現在、オーストラリアのメルボルン大学でヒューマンコピュータインタラクションの研究員として働いていますが、 これもKMDで得た人脈があったからこそ実現したものです。KMDのネットワークを通じてスタートアップの創設者にもなりました。企業や横浜市とプロジェクトを行うなど 実社会での貴重な経験を得るとともに、映画撮影などの実践的なスキルも身につけることができるようになりました。
(本記事は2022年3月に作成されたものです。)
トーポークラン コムキッド
タイ
CAREER 2015年4月入学、2017年3月修士課程修了/2017年4月入学、2020年3月後期博士課程修了
KMDではグローバルエデュケーションプロジェクトに参加。 デザインとテクノロジーと教育を融合したプロジェクトを通して、多くを学び、挑戦し、貴重な経験を積み重ねることができました。
2020年に博士号を取得後は、LINE株式会社の広告グローバルビジネスプランニングチームに所属しています。ここではプロダクトプランニングや教育プログラムのデザインなどを担当しています。オンラインワークショップのエンゲージメントをより高めるプログラムをつくるときには、KMDでの経験を活かすことができました。その他の製品を企画するときにも KMDで学んだプロジェクトマネジメントスキルは大いに役に立っています。KMDで挑戦したことは確かな力となっており、今後も新しいことに挑みつづけていきます。
(本記事は2022年3月に作成されたものです。)
安 謙太郎
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了/2010年4月入学、2013年3月後期博士課程修了
KMDの初代学生たちは多様な個性と才能を持っていて、プログラミングやプロトタイピング、ビデオ編集、プレゼンテーション、英会話など、彼らから学んだことは今でも私を支えてくれています。私はもともと研究者になるつもりはなく、新しいものをつくりたいという気持ちと同期からの 影響でいつの間にか研究が仕事になっていました。最近、私の研究をベースにした製品が発売されました。自らの研究が少しでも世界を変えられていると信じています。
(本記事は2022年3月に作成されたものです。)
ヤオ アミ
アメリカ合衆国
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了
(本記事は2021年3月に作成されたものです。)
プン・ラタナバンチュン
オーストラリア
CAREER 2013年9月入学、2016年3月修士課程修了
現在、スイスを拠点とするスポーツブランドOnで、戦略販売、市場投入製品の計画、モバイルプラットフォームの開発に携わっています。今は、パンデミック時のセルインを改善するための法人向けモバイルプラットフォームを構築するプロジェクトに取り組んでおり、約束したミッションを達成するために、デザイン思考によるアプローチを頻繁に行います。まさしくKMDで学んだことが役立っています。
(本記事は2021年3月に作成されたものです。)
ヤメン・サライジ
シリア
CAREER 2013年4月入学、2015年3月修士課程修了/2015年4月入学、2018年3月後期博士課程修了
2020年4月、ビジネスと展開の世界を探求するために、東京のスタートアップ企業であるAvatarIn Inc.に入社し、サービス指向アバタープラットフォームの開発を主導するディレクターをしています。このプラットフォームはKMD時代の研究でフォーカスしたものです。私たちは、コミュニケーションの媒体を再構築し、サービスアバターの大規模なネットワークを展開する上で大きな一歩を踏み出すことを目指しています。
(本記事は2021年3月に作成されたものです。)
廣井慧
日本
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了/2011年4月入学、2014年3月後期博士課程修了
現在、私は京都大学防災研究所で准教授として働き、防災・減災を実現するシステムや解析技術の研究開発をしています。私にとってKMDは自分が何をしたいのかの芽を育て、実現する力をつけてくれる場所でした。この経験は今でも大いに役立っています。私や多くのKMD出身者と同じく、KMDを希望する皆さんにもKMDでの経験が将来の活躍につながることを願っています。
(本記事は2021年3月に作成されたものです。)
橋本 真太郎
日本
CAREER 2014年4月入学、2016年3月修士課程修了
(本記事は2021年3月に作成されたものです。)
折笠 舞
日本
CAREER 2015年4月入学、2017年3月修士課程修了
イノベーションは、ものづくりが起点だと思いがちですが、人と人が繋がったり、目に見えないカルチャーが芽生えたりするその瞬間にも確かに存在する、と気づかせてくれたのがKMDです。
現在は寝具メーカーにフィールドを移し、「眠り」を仕事にしています。ものを生み出すメーカーでありながら「眠ること」を再定義するべく、マーケティングや商品戦略に携わっています。睡眠コンサルティングの拠点づくりから、デジタル技術を駆使したスリープテックの企画、アスリートのコンディショニングといった切り口まで、生活者と眠りの接点を「消費」だけに留めないビジネスの現場で、KMDでの学びを日々実践しています。
(本記事は2020年3月に作成されたものです。)
實方ボリス
ドイツ
CAREER 2012年9月入学、2014年9月修士課程修了
KMDに入学したとき、慶應はCEMSに加盟したばかりで、デザイン系の研究科が加盟するのは初めてのことでした。2年間で国際経営学とメディアデザイン学両方の修士号を取得し、起業したてのデザイン会社、グッドパッチに加わりました。
それから6年半、グッドパッチは日本で大手のデザイン会社に成長し、世界中に170人を超える仲間がいます。現在私は執行役員として、ベルリン、ミュンヘン、パリを拠点としたグローバルビジネスを監督しています。クライアントがデザインを通じてビジネスを成功・発展させるサポートをしています。KMDで体感した、皆が何かを創造し、自ら手を動かし、共有しあうというインスピレーションに溢れた雰囲気を社内で再現していくことを目指しています。
(本記事は2020年3月に作成されたものです。)
米良はるか
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
(本記事は2020年3月に作成されたものです。)
油木田 大祐
日本
CAREER 2015年4月入学、2017年9月修士課程修了
現在はIDEOでインタラクションデザイナーとして働いていますが、本質的にやっていることはその頃と何一つ変わっていません。多才な同僚達と共に、何を何故作るのか、ということをクライアントと共に考え抜き、それをあらゆる手法でプロトタイプし形にする日々です。KMDで学んだ「つくる喜び」は僕の生きる糧であり、一人でも多くの人にその喜びを伝達することが僕の使命です。
(本記事は2020年3月に作成されたものです。)
周 家惠
中国
CAREER 2014年9月入学、2017年3月修士課程修了
KMDでは、多様な価値観を持つ人たちと協働することで、多様性に取り組み、複雑性を対処する術を学びました。また、GIDプログラムでロンドンとニューヨークに滞在し、伝統的な職人技とスペキュラティブ・デザインを対比させることで、デザインの視野が広がりました。
現在は戦略デザインファームにおいて、大手日本企業のユーザエクスペリエンス最適化、新規ビジネスの展開、将来像のプロトタイプ制作のサポートをしています。複雑に満ちていると同時にワクワクします。KMDで得た貴重な体験のおかげで、日々直面するさまざまな課題に自信をもって取り組み、前進し続けることができています。
(本記事は2020年3月に作成されたものです。)
小林百絵
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
どうしたら偶然ではなく、もっとその打率を上げられるのか。そんなことを悩んでいたときに「デザイン思考」を知り、KMDを知りました。
KMDでは、多種多様な視点や経験を持った人たちと一緒に0→1に挑戦することで、たくさんの刺激を受け、打率を上げるための訓練を積むことができました。また、デザイン思考という「型」を学べたこともとても大きく、頭ではなく、自分の身体感覚に素直になって、アウトプットを生み出せるようになりました。
そして今、卒業し、広告代理店を経て、「DAYLILY」という漢方のライフスタイルブランドをはじめました。KMDで出会った台湾出身の王怡婷さんと一緒に起業し、アジアを代表するブランドになれるよう日々、奮闘しています。今後は、打球をより遠くまで伸ばしていくことに挑戦していきたいと思います。
(本記事は2019年3月に作成されたものです。)
大江 貴志
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
私は外資系コンサルティング会社、大手家電メーカーにてITを使った業務改善、生産改革のプロジェクトを担当したのち、KMD1期生として社会人入学しました。在学中は政策提言集団「ポリシーウォッチ」の活動支援を通じて政策と産業の関係性を研究する一方で、テクノロジーやポリシー、デザインなど様々なバックグラウンドを持つ教授陣やメンバーと議論しながら詳細なテーマを設定。リアルプロジェクトを通じたプロトタイピングでは実社会により近い形で検証プロセスを回すことが出来ました。
現在は、引き続き研究員として「産業・文化の活性による地方創生」をテーマに「工芸みらいプロジェクト」などを運営。学術研究だけでなく、実際に自ら事業継承や起業を行いながら実証に取り組んでいます。活動拠点の一つである福井県鯖江市にはサテライトオフィスを開設し、漆器などの伝統工芸品や眼鏡の市場創造アプローチを研究。伝統の塗装技術と近代の生活シーンを融合させた漆タンブラーやiPhoneケースなどを企画、「作りたい」だけでなく「売れる」ものづくりを現地の職人と共に実践しています。
(本記事は2019年3月に作成されたものです。)
フェリペ・ポンテス
ブラジル
CAREER 2014年9月入学、2016年9月修士課程修了
3つの目標を定め、KMDに入学しましたー転職、異文化の体験、そして国際環境における仕事の仕方を学ぶことです。幸運にもすべての目標を達成することができました。ブラジルではジャーナリズム学を専攻した後6年間雑誌記者をしていましたが、時間の経過とともにモチベーションを保つためには転職が必要だと感じるようになりました。内心ではサービスデザイナーになりたいと思っていたのです。
もちろん簡単なことではありませんでした。サービスデザインは新興分野であるため、直接的もしくは間接的に学べる学校を探すのに苦労しました。しかしながら偶然にもKMDのことを知り、夢をかなえる手助けとなることを確信しました。KMDには日本政府の奨学金を得て2014年から2016年まで在籍しました。在籍中の2年間で、サービスデザインに関する論文を発表し、この分野において信頼できる専門家となること、そして日本でのビジネスの仕方について学びました。
卒業後は東京に拠点を置くコンサルティング会社、株式会社ニューロマジックに入社し、共同でサービスデザイングループを立上げました。設立して間もない部門ですが、すでに大手日本企業数社と取引をしています。デザイン思考の手法を使った短・中・長期のコンサルに特化し、クライアントがより良い製品・サービスを生み出す手助けをしています。この他にも企業や大学に対し、サービスデザイン分野についてのレクチャーを頻繁に行っています。習得した知識を実践に移すことは楽しいものです。KMDの熱い教授陣と素晴らしい環境に感謝しています。
(本記事は2019年3月に作成されたものです。)
藤川真一
日本
CAREER 2013年4月入学、2017年9月後期博士課程修了
現職のBASE株式会社は、無料でネットショップを運営できるBASEというプラットフォームを提供していますが、KMD在学中に取締役CTOとしてジョインしました。エンジニアの採用に力を入れていることもあり、研究ではGithubというエンジニアが使うSNSを元にしたエンジニアスキルの信用スコアを出す研究として論文を書くことになりました。近年、ネットを通じた信用スコアは注目されており、研究で得た知見は日常の仕事にそのまま生かしています。
マネジメントにおいても先生方の指導スタイルを参考にさせていただいており、個々の問題を部下に任せてアウトプットをレビューする指導スタイルは、物事をしっかり考えてもらう方法として学びました。このように自分の仕事に影響を与えられるのは社会人学生の特権としてKMDを楽しんでいました。
(本記事は2019年3月に作成されたものです。)
ニヤ・カビール
カナダ
CAREER 2012年9月入学、2015年3月修士課程修了
“どうしたら欧米中心の固定概念を打ち破り、国を越えて柔軟に考え、理解するに至るのか?”
“どうしたら社会にインパクトを与えるデザインを具現化するために必要なスキルとツールを得られるか?”
と常に自分に問いかけていました。
そしてこれらの問いかけがきっかけとなり日本で修士を取ることを決意したのです。
KMDに入学したことにより、いくつもの門戸が開かれました。そのひとつは、GIDの第1期生としてプログラムに参加したことで、いままでとは異なるデザインメソッドを学ぶことができ、多種多様のスキルを持ち合わせた人と協働して研究活動を行う機会を得ました。
修士課程修了後は、Slush Tokyo (Slush Asia) 立上げの一員として、チェンジメーカーや業界のキープレーヤー、そして種々のコミュニティビルダーに声をかけ、スタートアップエコシステムを確立しました。Slushにいた4年間は新興企業やチームとともに事業のニーズを満たすデザインを提案するフリーランスの仕事もしていました。その後1年間ベンチャーキャピタル企業で働く経験を経て、再びデザイン会社に戻りビジネスにおけるデザイン事例に取り組みました。
現在は、スタートアップエコシステムのさまざまなステークホルダーのデザインパートナーを目指しN. A. K. Studiosという会社の立上げにかかわっています。ビジュアル以外の方法でデザインがビジネスにインパクトを与える可能性について協業して事例をつくることを目的としています。デザイン手法の進化と、数多くのツールが編み出されたことで、あらゆる問題を解決したり機会を発見したりすることが可能になりました。N. A. K.は創設者や新興企業とともに、現在の状況のもとで最良のデザイン事例を創っていく存在になりたいと思っています。
(本記事は2019年3月に作成されたものです。)
ながしまみのり
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
学部では音楽を専攻していましたが、自分のスキルを使って生きていく方法を身に付けるためにKMDに入学しました。KMDは何かをつくるだけでなく、社会でどう活用していくかまで実践して学べる場所です。KMDでの経験が、作品を構想し、実際に制作し、そして世の中に展開していく力につながっています。ひとりのアーティストとして、作品制作はもちろん、契約やマネジメントまですべて自分で管理しています。あらゆることを多角的に捉える力があれば、何かに縛られることなく、自分自身の力だけで自由に生きていくことができます。
(本記事は2018年3月に作成されたものです。)
奥出えりか
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
フィーをもとに対象に寄り添ったコンセプトを設計する力を身に付けられたと思います。
卒業後は美大出身の友人とデザイン会社を起業してTetra Styleというキャラクターブランドを立ち上げたり、乙女電芸部という活動でワークショップを行ったりしています。最近始めたプロジェクトには、「しっぽコール」という女性向けスマート防犯ブザーがあります。安心・安全をデジタル技術で確保する今までにない魅力的な商品として世に出すべく、デザイン思考のプロセスを回しながら開発に取り組んでいます。
(本記事は2018年3月に作成されたものです。)
竹居直哉
日本
CAREER 2011年4月入学、2017年3月後期博士課程修了
現在はこの経験も活かしながら、さまざまな企業でのイノベーション創出のサポートをしています。KMDに来るきっかけとなった問題意識に実践で取り組む充実した日々を送っています。
(本記事は2018年3月に作成されたものです。)
河野祐子
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
私は2年間の社会人生活を経て、企業ブランディングやマーケティングについて改めて学びたいと思い、KMDへ入学しました。在学中は、Creating Shared Value(企業の事業に直結した戦略的なCSR)を中心に研究を行いました。日系企業のドメスティックな環境から、今までに出会ったことのないユニークで刺激的な人達がたくさんいる、真逆の環境に飛び込んで、当初は苦労もありましたが、その経験は今では財産となっています。一流に学べ!という表現がありますが、KMDはまさに各業界の第一人者の方から、直接学びを得られる素晴らしい場所だと思います。
(本記事は2018年3月に作成されたものです。)
チャリス・フェルナンド
スリランカ
CAREER 2008年9月入学、2010年9月修士課程修了/2010年9月入学 2013年9月後期博士課程修了
現在はTelexistence株式会社 (https://tx-inc.com/)の代表取締役、最高技術責任者(CTO)として、テレイグジスタンス技術を産業化し、人々の生活、組織、また社会を劇的に変えたいと思っている才能豊かなエンジニアリングチームを指揮しています。Telexistence株式会社の目的は、人の移動にかかるコストと実際にその場に人がいるというコストを減らし、ビジネスチャンスを生み出すことです。KMDから得たものは多く、いつかKMDとコラボレーションをしたり、自らの資産でKMDをサポートとしたいと思っています。
(本記事は2018年3月に作成されたものです。)
キム・フイスン
韓国
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
現在ソニーで、次世代プロダクト創出に向けたコンセプトデザインおよびインタラクションデザインに従事しています。直近の活動の1つとしては、「Motion Sonic Project」というプロジェクトを立ち上げ、世の中に公開しました。
このプロジェクトでは、身体運動を音で拡張する身体経験メディアのデザインに挑んでおり、人と音の関わり方をリデザインすることで、新しい音体験を世の中に提供し、社会にインパクトを与えることを目指しています。
KMD入学以前は、情報工学を専攻しエンジニアリングを学びましたが、「もっと人々を魅了する体験価値を創れるようになりたい」という想いを抱き、KMDに入学しました。
在学中は、家具をメディアとしてリデザインするMedia Furnitureプロジェクトに取り組む中で、エスノグラフィー調査とプロトタイピングを繰り返しながらコンセプトと体験を具現化するデザインスキル、および実社会へ価値を伝えるためのプレゼンテーション力が身に付いたと思います。
ここでの経験が、今、私がデザインとテクノロジーの交差点に立ちクリエイションを行う上での土台となっています。
(本記事は2017年3月に作成されたものです。)
上保浩美
日本
CAREER 2013年4月入学、2015年3月修士課程修了
アジアを中心とした多拠点ワークショップやオンラインプラットフォームの構築、そしてプ ロジェクトメンバーとの触れ合いを通じ、年齢や国を超えた「つながり」の素晴らしさに胸が熱くなった瞬間を今でも鮮明に覚えています。
現在は、様々な「つながり」を実現するネットワーク技術の重要性や可能性を、もっと多くの人々に感じてほしいと、人材育成・研修サービスの会社でネットワーク関連の研修講師として教鞭をとっています。
様々な背景を持つ受講者 を相手に研修を担当するたびに、「どうしたらわかりやすいか、楽しく伝えられるか」を強く考えています。研修開始時の受講者の険しい表情や退屈そうな顔つきが、閃きや納得で明るく変化していく様子は、私の学びの活力です。
常にアンテナを張って学び続けること、学びは外に発信すること、そしてみんなで楽しむこと。KMDでの学びや出会いはすべて、私の今につながっています。
(本記事は2017年3月に作成されたものです。)
高橋竜之介
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
現在、一般社団法人CiP協議会の事務局長を務めています。CiP協議会は、東京都・竹芝地区で2020年に完成予定の再開発事業に伴い、同地区にデジタル×コンテンツの産業集積地をつくるというミッションを担っています。私は、事務 局長として、プロジェクトの実現に向けて、CiP協議会の会員を含む産・官・学の各方面との折衝や議論に追われる日々を過ごしています。
KMDでは、通信放送政策を研究テーマとしていました。KMDは、デザイン、テクノロジ、マネジメント、ポリシーの4つの系列が配されていることもあり、本来同じ課程で括ることができない多様なヒトや研究テーマが一堂に会します。この環境は着眼点や発想においてとても刺激的でした。また、KMD外でも、様々な分野の第一人者の方々と交流できる機会を得ることができました。
KMDで得た最大の成果は、研究活動を通じて得ることのできた縁だと思います。CiP協議会でも、その縁を頼って活動しています。
KMDで得たものを活用して実現させる竹芝にご期待ください。
(本記事は2017年3月に作成されたものです。)
杉浦裕太
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了/2010年4月入学、2013年3月後期博士課程修了
KMD1期生として飛び級で入学し、博士号を取得した後、特任助教になりました。KMDでは、Reality Media Projectで、居住環境に適した生活者の行動計測システムやディスプレイを開発しました。
工学系の学部出身だった私は一人でモノづくりをすることが多かったのですが、KMDでは、バックグラウンドが異なる仲間と、お互いの専門性を活かして「コラボレーション」をしながら開発する機会が増え、一人だけでは制作困難だったモノを生み出すという経験ができました。
また国籍豊かな環境で必然的に留学生とのコミュニケーションが増えたため、入学当初苦手意識を持っていた英語での会話も、卒業するまでにはある程度できるようになりました。
現在は慶應理工学部の情報工学科で助教をしています。そこではKMD在学時代に重要性を認識した「コラボレーション」を研究対象とし、今度はそれをテクノロジで支援してみようと思い、今は複数人が協調して空間設計ができるバーチャルリアリティや、IoTの研究に従事しています。
(本記事は2017年3月に作成されたものです。)
國友美希
日本
CAREER 2013年4月入学、2015年3月修士課程修了
私がKMDで学んだことは、「物事の本質を見極め、自分のやるべきことを考えること」「自分次第でどんなことにでもチャレンジできること」でした。
在学中は、ネットワークメディアプロジェクトでAR技術を利用した情報機器管理システムの研究に取り組んでいました。入学以前はデザインを専攻しており、全くテクノロジの知識が全くなかった私ですが、KMDをきっかけとして出会った様々な人々のお陰で、知識を身に付けながら研究を進めることができました。
KMDにはたくさんの人とのコラボレーションの機会があります。その中で物事の本質を捉え、自分がやるべきこと、自分にしかできないことを考える。考えたことをまずは実行していく。この2つの重要性を学びました。KMDが、わからなくても走りながら考えることができる環境であったからこそ、このことに気づくことができたのだと思います。
卒業した現在、通信業界でシステムエンジニアとして活動する中でも、この学びが自分の根幹となっています。
(本記事は2017年3月に作成されたものです。)
グスタボ・ドレ・ロドリゲス
ブラジル
CAREER 2009年9月入学、2011年9月修士課程修了
現在、株式会社モティファイの取締役を務めています。モティファイは、ヒューマン・リソース・テクノロジーのパイオニアとして、ハビットデザインに基づいたeラーニングシステムを活用し、企業内のリーダー育成や社員が互いの能力を高め合うことのできる環境づくりの支援を行っています。
私のチームには、日本、ブラジル、ウクライナ、アメリカ、スウェーデンなど世界中の様々な国から12名のメンバーが集まっており、現在もその多様性の輪は広がっています。
KMD入学以前は、母国ブラジルでマーケティングの仕事に就いていました。KMDの存在を知り、それまで目を向けてこなかったテクノロジー分野について学ぶための大きなチャンスだと感じました。
KMDでは、私の人生で最も刺激的で、また最も充実した2年間を過ごすことができました。入学当初は、前職ともつながりのあるイベント制作のプロジェクトに関わっていましたが、その後OIKOSプロジェクトでMedia Furnitureのチームメンバーになりました。このプロジェクトで学んだプロダクト/コンセプト・デザインによる制作プロセスは、今でも日々の仕事の基本となっています。
日本で暮らした8年の間に、ソニーでのVAIOの企画や、リクルートでのUXデザインの制作に携わりました。自分のキャリアを見直す際には、いつもKMDの先輩が親身に相談にのってくださいました。KMDで得た知識や人との結びつきが、今の私の原点となっています。
(本記事は2017年3月に作成されたものです。)
木下紫乃
日本
CAREER 2013年4月入学、2015年3月修士課程修了
現在、昭和女子大学が開講した社会人女性向けビジネススクールの設計や運営を、女性のエンパワーメントの一環として行っています。その他、新しい人材育成システムの設計や、若年層ための新しい教育、女性の世代を超えたネットワークづくりなどをテーマに、有償無償の様々な組織やプロジェクトに関わっています。その中で一貫する軸は「挑戦しようとする人や組織を支援する」こと。領域の異なるプロジェクトに並行して関わる中で、全体として何が課題なのかを俯瞰し、自分がどう貢献できるかを真剣に考え続けながら働ける今のスタイルをとても気に入っています。
KMDに入るまでは大企業の人材育成コンサルの仕事に携わっていました。KMDでは年齢、国籍、性別の異なる様々な仲間と学び、自ら実践する教授陣の薫陶を受け、それまでとは全く違う規模で視野を広げ、異なる領域を繋げる必要性や、新しい時代における影響力の発揮の仕方や学び方を体感し、それを今の生き方、働き方で実践しています。私達を取り巻く環境は加速度的に変化しています。私は現在40代後半ですが、年齢に関わらず、学び続け、実践し続けることだけが21世紀を生き抜く力だということもKMDで学びました。
(本記事は2016年3月に作成されたものです。)
村井裕実子
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
(本記事は2016年3月に作成されたものです。)
太田智美
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
日本には「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、私はそのうちの1つの魂はKMDからもらったように思います。まっすぐであること、自分のコア・コンピタンスはどこにあるかということ、技術の周りには必ず社会のデザインやポリシーがあり、それを創るのは自分だということ、今の活動の全てはKMDの魂からきています。KMDに入って、私にはお父さんが増えました。そして、KMDでつながった友だちが世界中にいます。
(本記事は2016年3月に作成されたものです。)
サルセド・ナウエル
アルゼンチン
CAREER 2013年9月入学、2015年9月修士課程修了
KMD在学中に、教授陣から全面的なサポートをいただき、日本国内でテレビやインターネット、デジタルサイネージ基盤にAVコンテンツを提供するビジネスを立ち上げることを決意しました。日本とアルゼンチンの両国を拠点とする少数精鋭のグラフィックデザイナーチームが、私の構想の実現を助けてくれています。今年は、J SPORTS、アメリカン・エキスプレス、スカパー!、エレクトロニック・アーツ、日本野球機構などにコンテンツを提供しています。私たちが制作したコンテンツは、渋谷や新宿の巨大スクリーン、池袋などの駅、ケーブルを含む各種テレビ放送、そしてスタジアムなど、東京のいろいろな場所で見ることができます。
(本記事は2016年3月に作成されたものです。)
新谷有幹
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
KMDでは奥出直人教授のOIKOSで、music in communityという、音楽と地域社会の関わり方を考えるプロジェクトをゼロから立ち上げました。結果、慶應義塾大学で単位認定される音楽実技授業の実施が決まり、社会に少なからずインパクトを残すことができました。プロジェクトを通じて、世の中で喜ばれること、必要なこと、体験してみたくなることはなんだろうと深く考え、企画を実現するためにプロジェクトを力強く推進していくことを経験しました。KMDでの経験は今の仕事にも大きな影響を与えています。
(本記事は2016年3月に作成されたものです。)
廣瀬雅治
日本
CAREER 2013年入学、2015年3月修士課程修了
入学前は理工学部で応用物理学を専攻していました。しかし研究を進めるにつれて、エンジニアリングにおける問題解決は1つの専門分野からのアプローチではなく、複数の分野からのアプローチが必須であると感じました。それが、テクノロジ、デザイン、マネジメント、ポリシーの多岐にわたる分野をバランス良く学ぶことができるKMDを選んだきっかけです。
KMDではリアリティメディアプロジェクトで、インタラクションデザインやバーチャルリアリティの研究を行っていました。ハードウェアからソフトウェアまで幅広く学びながら、プロトタイピングやシステムの設計と検証を行い、研究に取り組んでいました。学部時代とは異なる学問領域に修士課程から飛び込むのは勇気のいる決断でしたが、KMDでの研究活動はとても刺激的で実りのあるものでした。今は半導体企業で組み込みシステムやIoTのエンジニアとして活動しています。システム開発における問題解決は一筋縄ではいかないため、KMDで学んだ幅広い分野から問題解決を図るという姿勢は今でも活動の糧となっています。
(本記事は2016年3月に作成されたものです。)
アヌーシャ・ウィタナゲ
スリランカ
CAREER 2008年9月入学、2010年9月修士課程修了/2010年9月入学、2013年9月後期博士課程所定単位取得退学、2014年2月博士(メディアデザイン学)
現在はシンガポール技術デザイン大学のSUTD-MIT国際デザインセンターで、誰もが簡単にコンピュータを使うことを可能とするヒューマンインタフェースについて研究をしています。特に、多感覚インタフェースや触角インタフェースに焦点を当てています。
KMDでは、「Reality Media」プロジェクトで、多感覚情報を用いて、空間における人間の知覚を理解するという研究をしていました。またその研究を実社会で応用すべく、トヨタITといった企業と産学連携を図りました。KMDの特徴的なところは専門性、文化、好奇心の“多様性”です。何かをしたい、あるいは何かのエキスパートになりたければ、KMDには1つの分野に精通した人材が必ずいて、彼らは情熱的に協力してくれるはずです。革新的なもの、面白いものをつくりたい人にとって、その夢を実現するのに相応し場所であると思います。
将来は人間の知覚に根ざした新たな情報システムの構築に貢献したいと考えています。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
髙橋征資
日本
CAREER 2009年4月入学、2012年3月後期博士課程所定単位取得退学
KMDでは、「Reality Media」プロジェクトでエンターテインメントコンピューティングに関する研究に従事していました。稲見昌彦教授をはじめとする研究者の方々に専門的なアドバイスをいただき、自ら実装を繰り返すことで表現の幅が広がりました。また、海外の優秀な学生とともにプロジェクトを行ったことはとても貴重な経験でした。
現在はバイバイワールドという名で、エンターテインメントに特化したクリエイター活動を行っています。また、玩具やインスタレーション、ロボットなど様々なスタイルの商品や作品の創作活動に取り組んでいます。2014年6月からは、よしもとロボット研究所チーフクリエイターに就任し、ソフトバンクの最新ロボットPepperの公式エンタメアプリを監修・開発しています。これからもエンターテインメントとテクノロジーの可能性を追求していけたらと思います。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
張 晋菁
台湾
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
現在はUI/UXデザイナーとして、監視ソフトウェア会社で働いています。KMDでは、「Global Education」プロジェクトに所属し、映像伝達について学びました。主な活動内容である「オンライン授業」をサポートするなかで、自分自身のアイデアを構築し、もっとウェブデザインの技術を学びたいと思うようになりました。
新しく何かをつくるということはとても時間がかかりますが、KMDにはすべてのアイデアを実現させる可能性があります。そこで出会った人々は皆優しく協力的で、日々議論を重ねながら、小さなアイデアを膨らませるチャンスを常に求めていました。オープンな心で学び、常に挑戦し続けることで、重要なものを掘り起こすことができるとKMDで学びました。そして、この価値観が私にとって良き実践となり、人生の目標となっています。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
畑山桂吾
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
KMDでは、岸 博幸教授の「Creative Industry」 プロジェクトの下、で地域ブランドに関する研究に従事していました。宮城県・女川町とのプロジェクトでは、イベントやプロモーションの実施、まちづくり会社設立など、地域にとって本質的に必要なものは何かを追求し続けました。最終的に東京の日比谷公園で、来場者20万人を越えるイベントを成功させることができました。世代もバックグラウンドも異なり、物理的にも離れた場所にいる人々とのプロジェクトはとても貴重な経験となりました。
現在は、インターネット企業で企画プランナーの仕事をしています。KMD時代、多くの人々に愛されるものとこととは何か?という疑問に答えを出すべく、地域ブランドに関するプロジェクトに取り組みました。地域とは少し畑違いに見える仕事をしていますが、利用していただいている多くのお客様に対し最適なサービスは何なのかを考え・つくるこの仕事には、KMD時代の研究とプロジェクトの経験が活かされています。今後も多くの人に利用され、愛されるものづくりに精進していきます。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
宮本 徹
日本
CAREER 2011 年4 月入学、2013 年3 月修士課程修了
KMD では「OIKOS」プロジェクトに参加し、小売店舗のスタッフが来店者に購買促進させるためのサービスデザインについて研究しました。行動分析、アイデア出し、コンセプト構築、そしてプロトタイプをつくり、実際に店頭に置いて検証するという作業を繰り返しました。この研究では一から新しいものをデザインしていくということを経験しました。
KMDには学生のバックグラウンドの多様さとともに、グローバルな環境があり、様々な分野で活躍している教授陣と様々な経験をすることができます。プロジェクトルームで、色んな人と議論し、相談したりしたのは良い思い出です。
現在はインターネット関連企業でクリエイターとして、ユーザーにもっと使いたいと思ってもらえるようなデザインやインタラクションを日々考えてつくっています。将来はKMD での経験を活かし、常に新しいことに挑戦していきたいと思います。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
八木 泉
日本
CAREER 2009 年4 月入学、2011 年3 月修士課程修了
KMD では「OIKOS」プロジェクトの中で「メディアファニチャー」という家具や住空間を取り巻くユーザー体験をデザインするサブプロジェクトに参加していました。一般家庭へフィールドワークに出かけて人々の生活を観察したり、プロトタイプをつくるために電子工作とお裁縫の日々だったり、とにかく手足を常に動かしながら研究をしていました。
現在は電機メーカーでエクスペリエンスプランナーとして、スマートフォンのUX デザインやアプリ企画をしています。変化が激しい業界ですが、ユーザー調査を行い、常にユーザー視点でのものづくりを心がけています。プランナーとして、エンジニアやデザイナーと一緒に仕事をし、プロジェクトを引っ張らなければならない立場ですが、KMD 時代のチームでのものづくりの経験が役立っています。入社4 年目から台湾への赴任となり、海外の人々と共に仕事をしています。KMD でも、中国、スリランカ、ブラジル、レバノンなどからの留学生とともに国際色豊かな環境で過ごし、彼らと一緒にプロジェクトを進めたことが今に活きていると思います。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
稲木 萌
日本
CAREER 2011 年4 月入学、2014 年3 月修士課程修了
KMD では、「Power of Motion Pictures(現在は「Creato」)」プロジェクトで、主にオンライン動画とUGC(User Generated Contents)関連の研究に従事していました。最終課題ではアーティストとの協働でプロモーション動画を制作。ギャラリーや美術館の協力を得て、数々のクリエイターやアーティストとのコラボレーションを行い、オフラインのイベントも開催しました。
現在はグーグルのYouTube チームで働いています。自社のスタジオで優秀なクリエイター(YouTuber)によるイベントを開催するなど、YouTube クリエイターのコミュニティーの育成に関わっています。これはまさに私がリアルプロジェクトで行った内容と直結するものであり、アーティストやクリエイターとの関わりも含めて、KMD で学んだスキルや経験は、確実に今の仕事に生かされています。ビジネスの視点からメディアを学べる環境であるKMD は、幅広い分野の研究を通して多くの貴重な体験ができる場所です。
今後は国内だけでなく、世界的な規模のイベントやグローバルなスケールでのコミュニティービルディングに関わり、世界を変えるほどの拡散力のあるプロジェクトを立ち上げたいと思います。
(本記事は2015年3月に作成されたものです。)
山本龍
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
学部時代は建築設計を学び、デザインするという行為を感覚的に、あくまで主観的に行っていました。しかし、KMDではモノの形を作るだけではなく、モノを通して使い手が得られる経験を創造する事の意義を学びました。メディアファニチャーというプロジェクトに参加し、実生活に基づいたリサーチ、アイデア出し、コンセプト構築を丁寧に行い、さらに家具のプロトタイプを作り、 ユーザーに普段の生活の中で使ってもらい、検証を繰り返す作業を通して、なぜつくるのか?そもそも、デザインとは何か?という根源的な問いを常に考えさせられました。
現在はイタリア・ベネトン社のリサーチセンター・ファブリカのプロダクトデザイナーとして、ミラノサローネなど国際的な展示会で作品を発表しています。KMDでの訓練は私のデザイン活動の基盤になっています。造形美だけでは到達できない領域にデザインの価値がある、という実感を持ってヨーロッパ の地で日々闘っています。
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
岡部 理
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
竹内祐太
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
学部時代には情報工学系の研究室にいたため、自分で手を動かして何かをつくることが好きで、KMD では工学的なアプローチでモノづくりを行う Reality Media プロジェクトに参加しました。最初は楽しく何かをつくれればいいといった程度に思っていたのですが、「ヒトの知覚から 逆算して、与えたい体験をデザインし、システムに落としこむ」というReality Media のアプローチは新鮮で、新しい視座を得ることができました。特に、私は現実世界の触感をコピー& ペーストすることで誰もが簡単に触感を取得でき、バーチャルに生成するという研究を行っていたのですが、触感は体験しないと研究の狙いが伝わらないことが多く、プロジェクトのキーワードである「Demo or Die」という言葉に励まされながら、何度もプロトタイピングを続けました。
現在は広告代理店でテクニカル・ディレクターやプランナーとして働いています。これからもKMD 時代に培った「体験がすべて」という考え方を大切にしていきたいと思っています。
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
藤代健介
日本
CAREER 2011年4月入学、2013年3月修士課程修了
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
ヤン・ロッド
チェコ
CAREER 2009年4月入学、2013年2月後期博士課程修了
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
アニサ・マフディア・プラティウィ
インドネシア
CAREER 2010年9月入学、2012年9月修士課程修了
学部では視覚伝達デザインを専攻していました。KMD での研究は、「Growing Documentary Platform」における高度技術を用いて、ドキュメンタリーを共同制作するというものです。この研究はPMP プロジェクトの一部として、世界中の研究機関や団体との協力の下で成し遂げることができました。KMDでは、どんなことにも親身に相談にのってくださる先生方優しさが印象的でした。それに、研究のための設備や学生たちが集うスペースなど、施設がとても充実しています。
現在は、インドネシアのボゴール市で、自閉症や特別な支援を必要とする子供達のための学校でマネージャーとして勤めながら、テレビ番組のプロデューサーやグラフィックデザイナーとしてフリーランスの仕事をしています。将来は、自閉症の認知向上のためのドキュメンタリープロジェクトを完成させたいと考えています。
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
ファビエン・デルモッテ
フランス
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了
(本記事は2014年3月に作成されたものです。)
石川大輔
日本
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了
「何よりも自分がいいと信じるモノやサービスをつくること」。それが決してひとりよがりのものではなく、自分の隣、またその隣の人たちが好きになってくれるようなモノやサービスをつくろう。当時を振り返るとそう考えていたと思います。
プロジェクトでは、LEDを使用して家庭内の光環境を変化させる照明器具を製作しました。日本の家庭には古来よりハレとケという日常と非日常の空間が存在してきたことに着目し、今の日本の環境ならどういう照明が面白いかを考えました。例えば、ホームパーティーで設えを特別に変えるように照明も変える。ただスイッチを押すのでなく、テーブルクロスや皿、料理、酒を変えるのと同じ感覚で、照明器具のシェードを変えると、LED照明の明るさや色も変化するというものをつくりました。
また、同期たちと「デザインの寿命を長くする」という哲学の下「蝉 semi」というブランドを立ち上げました。屋外広告やデパートの懸垂幕を使用後に再利用したバッグやガジェットケースなどのデザイン・製作・販売を行っています。大学院修了後の現在も事業として、当時からの仲間たちと挑戦を続けています。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
リン・ウェイリアン
シンガポール
CAREER 2009年9月入学、2011年9月修士課程修了
インダストリアルデザインが専門で、数年間デザインコンサルタント会社に勤務しつつ、革新的なプロトタイプをつくりたいという目標を持っていました。単なるスケッチやアイデアを起こすだけでは物足りなかったのです。人々の生活に影響を与えるようなプロジェクトとともに、起業したいと思っているうちにKMDを見つけ入学しました。
KMDでは、稲見昌彦教授の下で「リアリティメディア」プロジェクトに参加。「ファントムランナー」というプロジェクトに取り組みました。これは、自分が走った記録を計測しておき、次に走るときに「ファントム(過去の自分)」と並走させ、記録が伸びたかどうかを確認するというもの。それ以外にも、センサーや人間とコンピューターの相互作用に関する研究に取り組みました。
現在はT.Wareという企業でデザインリサーチと開発を行っており、自閉症やその他の感覚処理に困難を抱えている子供のために「T.Jacket」という製品を開発しました。現在はさらに新たな市場を求めて、触覚に関わるウエアラブル製品を開発中です。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
野村友成
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
20代にはいくつかの会社を起業しました。10年間で数々の失敗とささやかな成功を経て、経営の難しさを学ぶと同時に、自分は経営者であるよりも社会にインパクトを与える新興メディアの最前線に携わりたいという思いの方が強いことを知りました。そこで、次の新たな10年の道を探すきっかけの1つになればいいなぁぐらいの漠然とした気持ちでKMDのドアのノックしたのが正直なところです。
当初は卒業後もビジネスにつながるような研究を望んでいましたが、入学後は中村伊知哉教授のポリシープロジェクトで、デジタル教科書教材協議会という初等教育のデジタルメディア環境を開拓するコンソーシアムの立ち上げに参加しました。それまでは教育には全く興味がありませんでした。しかし、その原因が「一斉指導」という教育法にあったのだということ、さらにそれはメディアで大きく変革を起こす余地があるという実態を知ったときから、だんだんと研究の社会的意義を感じるようになりました。後は、個人で上述の音楽配信プラットフォームの研究も同時に進めていました。
現在は、IHSという米国のリサーチ会社で、デジタルメディア・モバイル市場のアナリストをしています。海外展開を推し進める日本のメディア企業のために、世界中のアナリストと共同で国際プロジェクトを日々進めています。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
鹿毛雄一郎
日本
CAREER 2009年4月入学、2011年3月修士課程修了
KMDでは「街歩きやサイクリングをもっと楽しく、ワクワクしたものに」を実現する研究の一環として「Navinko」というiPhoneアプリの制作と、実社会での活用を目的とした研究活動をしていました。現在はリクルートライフスタイルで、新規サービスのUIデザイン担当として、ユーザーと企業が利用するおよそ400画面の設計からコーディングに携わっています。KMDで学んだ経験は今の仕事にもつながっています。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
磯谷拓也
日本
CAREER 2010年4月入学、2012年3月修士課程修了
学部では美術史を専攻しながら、独学でファッションブランドのディレクションなど、色々な角度からデザインへのアプローチを行っていました。KMDへの入学を決めたのは、社会とのつながりの中でデザインを捉えたいという思いからです。KMDでは医療サービスのデザインをテーマに研究に取り組みました。医療現場で看護師とコミュニケーションをとりながら、プロトタイプをつくり、現場で試すということを徹底的に行いました。現在はリクルートライフスタイルでエンジニアとして新規サービスの立ち上げに携わっています。KMDで学んだ、現場を捉えて手を動かしながら考えるという経験は今も生きています。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
市村昭宏
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
説明会で個性溢れる教授陣に強い共感を覚え、リアルプロジェクトでの経験こそが社会で勝負するための基盤であると強く感じ入学しました。在学中は、古川享教授と岸博幸教授の下で多くの挫折を経験しながらも、プロジェクトの実現に必要な分析力と行動力、そしてマネジメント手法を学びました。リアルプロジェクトでは、実社会に足を運びフィールドワークを行うことで、ユーザーの声を取り入れ、市場ニーズを肌で感じながらサービス設計を行うことを徹底します。プロジェクトを通じて学んだ経験が現在の自分の基盤になっていると言っても過言ではありません。
修了後は、Live Styles株式会社を立ち上げ、スマートフォンに特化したチケット販売サービス“tixee(ティクシー)”の経営、運営をしています。tixeeでは、従来プレイガイドを利用していない中小規模のイベント主催者が簡単にチケットを販売する事のできるプラットフォームを提供しています。
MBAや通常の大学院とはひと味違う「KMDだからこそなし得る学びと経験」を通じて出会った多くの仲間、そして教授陣とは現在も交流が続いており、これからも世界を変える多くの仲間に出会えることを楽しみにしています。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
佐藤千尋
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了/2010年4月入学、2013年3月後期博士課程単位取得退学
幼少期はニューヨークで過ごし、ピアニストになるべく教育を受けていました。大学は経済学部で経済地理学を専攻し、既存の都市を分析する方法を学びました。しかし、実際に何かをつくりたいという気持ちが強く、たまたま山手線内で見かけたKMDのポスターがきっかけで一期生として入学しました。当初はPCもまともに扱えなかった私でしたが、チームメンバーに恵まれ、数々のディスカッションや技術共有を行った結果、修士では複数センサを組み込んだポータブルデバイスをつくり、自分自身の興味地図をつくるシステムを構築しました。諦めずに全力で手と足を動かすことで何かしらを得られることと、チームで助けあうことの大切さを肌で感じました。ものを生み出す楽しみと苦しみの虜になってしまい、博士課程進学を決めました。
博士課程になってからは、元々慣れ親しんでいた音楽という題材を切り口に空間デザインのプロジェクトを立ち上げました。最初の1年間はチームでプロトタイプ制作と飛び込み営業を繰り返し、一緒に研究をしていくパートナー企業にめぐりあえたときには、研究を続けてきて良かったと思いました。
現在は、大規模商業施設において、人々が何度も来たくなるように、音を用いて空間をデザインするプロジェクトの全体責任者をしています。商業施設内の人が集まりにくい副動線に対して、より多くの人を呼び寄せられるような道のデザインを行っています。施設運営企業と議論し、新しい商業施設の設計方法を生み出そうと日々取り組んでいます。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)
堀口大輔
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
KMDでは、岸 博幸教授の下で「Policy Watch」プロジェクトに参加しました。政治・政策に特化した有識者を集め、若者向けにインターネットで政策や政治動向の解説などを行うビデオサイトを作成しました。「MSN 産経」「ダイヤモンド・オンライン」といった他メディアと連携することで門戸を広げ、認知度を高めていきました。ネットだけでなく、利用者が年に1 回顔を合わせるイベントを行うことで、より強いコミュニティの形成に挑戦しました。
KMD の良いところは、社会人経験者と一緒にプロジェクトを進められることです。メンバーのバックグラウンドが異なることが、プロジェクトとしての深みにつながり、結果として良いプロジェクトが多かったのではないかと思います。
在学中の9月にExim LLC. を起業しました。スローガンは「新しいメディアによって新しい経験をデザインすること」。主な事業内容は新しいメディア開発、Web デザイン、Web コンサルティングです。KMD でリアルプロジェクトをやり遂げた経験が今の仕事の基礎となっています。打ち合わせをして、つくって、触って、直す。この繰り返しでより良いものになるという確信を得られたことが大きな財産となっています。Exim LLC. のデザインの根幹にある「3つの要素(Web、リアル・ インタラクション、他メディア)がうまく連携していること。2つの特性(エンターテインメント性と利便性)が反映されていること」はリアルプロジェクトを通して学んだことであり、今でもこれらを常に意識したものづくりを行っています。今後もユーザーを笑顔にするような経験を生み出すメディアをつくっていきたいと考えています。
(本記事は2012年3月に作成されたものです。)
林 瑞恵
日本
CAREER 2008年4月入学、2010年3月修士課程修了
奥出直人教授の「メディカルプロジェクト」では、地域医療が抱える課題を探るために、大学病院、医師会、地域の開業医と協力してフィールド調査を行いました。例えば、在宅医療を行っている医師の訪問診療に同行し、観察を行い、医師、患者、家族など、関わる人々自身が気づいていない潜在的な課題を探りました。その調査結果をデザイン思考の手法に基づいて分析し、在宅医療関係者間の連携を促進するためのアプリケーションと、退院支援を行うWebサービスをデザインしました。企業と連携してコンソーシアムを設立し、デザインしたサービスを実際に社会に展開することにも力を注ぎました。
現在はNTT の研究所で、コンピュータ同士が通信するM2M の時代に収集される多様なデータを、個人利用のみではなく、地域コミュニティで利活用することで、地域や社会を豊かにするという目標を持ったグループに所属しています。実世界でのコミュニティをより活性化するために、集団におけるコミュニケーションの特徴を分析し、必要な技術開発に取り組んでいます。将来的に、私個人としては、医療、介護などの分野で必要となる技術開発と、開発した技術のサービス化に取り組みたいと考えています。
KMD で習得したことは、世の中に貢献したいという思いを実現するための、私自身の基盤となっています。
(本記事は2012年3月に作成されたものです。)
グスタヴォ・ドリー
ブラジル
CAREER 2009年9月入学、2011年9月修士課程修了
イベントプロデュースのプロジェクトでは、人を楽しませるためにテクノロジを使って新たなイベントを行う方法を研究しました。KMD 以外の関係者も多く、日本のビジネス社会に接する貴重な機会でした。2 年目からメディアファニチャーのプロジェクトに集中して、デザイン思考の視点で「家具をメディアとして使う」ものづくりを行いました。デザインもプログラミングも学びましたが、いちばん良かったのはデザイナーとして考えるプロセスを学べたことです。卒業後に仕事で困難にあったとき、デザイナーの視点でソリューションを提供できる能力が備わっているのを自覚できたのは素晴らしい経験でした。KMD は異なるバックグラウンドを持つ面白い人が集まっているので、自分の考え方も広がるし、ネットワークも広げられます。
私は現在、ソニーで「VAIO」の企画をしています。来年からは自分の考えを反映した次世代のPC が発売され始める予定です。メーカーはいつも新しいアイデアやプロセスを探しています。KMD で学んだデザイン思考のプロセスを提供することで、将来のメディアの世界に向かってイノベーションを行う方法をつくり上げられればと思います。
(本記事は2012年3月に作成されたものです。)
マリン・ラオ・タンポウォン
インドネシア
CAREER 2008年9月入学、2011年3月修士課程修了
大川恵子教授の「Global Education Project」では、SOI Asia( スクール・オブ・インターネット・アジア)と協働して、衛星通信のインターネットを使った遠隔教育やE ラーニングを研究しました。遠く離れた人々に対して、グローバルな協力体制で支援できる可能性を学んだ経験から、私は東ティモールの小学校の児童たちが、物語形式でポルトガル語を学ぶプロジェクトを立ち上げました。ポータルサイトを公開し、世界中にいるポルトガル語を話す人々と協力する体制をつくったのです。
KMD の良いところは、書物やコンピュータからではなく、実社会に出てリサーチを行い、具体的なモノやサービスで成果を発表する「リアルプロジェクト」から経験を得られる点にあります。リアルなものを対象にすることで、より情熱を持って何かをつくり出すことができるのです。
現在の私は「Engineering, Science Technology and Informatics Unit (EST) 」のジュニア・プロジェクト・アシスタントをしています。アジア太平洋地域の大学と協力して、高等教育のE ラーニングや遠隔教育の実現を目指しているところです。国際的な組織で今後も途上国の教育開発に取り組み、将来は母国インドネシアの教育システムの改善に寄与したいと思います。
(本記事は2012年3月に作成されたものです。)
マ・ランラン
台湾
CAREER 2009年9月入学、2011年9月修士課程修了
KMD ではプロジェクト・マネジメントとHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)の研究をしました。玩具+ デジタルライフをテーマにする「キュートセンター」に参加して、インタラクティブ玩具「ペティモ」をSNS のプラットフォームを使ってデザインするプロジェクトに取り組みました。現実の世界だけでなく、オンライン上でも子供たちの安全性を高めることに挑戦しました。
現在はHTC というスマートフォンのメーカーで、デザインスタジオのプロデューサーとして働いています。私の役割は、コンセプト開発からライフサイクルまでを見通し、デザイン、開発、品質管理の各部門に伝わるよう、簡潔かつ明確に商品の説明や必要な条件を発信することです。将来は、ユーザー経験のデザイン、モバイル・インターフェース、コミュニケーションデザインの分野で知識を深めたいと思っています。また、モバイルテクノロジを使った人材開発と児童教育についても研究したいと考えています。
(本記事は2012年3月に作成されたものです。)