理論・戦略科目
(デザイン系列科目)
ドリームドリブンデザインとイノベーション
手に入れたい未来を描くためのドリームドリブンデザインについて理解を深める。人の潜在的なイマジネーションや夢の力を用いて、近未来を描き、今日にバックキャストをすることで、今何を実行するべきかを明らかにする。本手法は、まず好奇心や疑問を持つことから始め、様々な興味ふかい「点」を発見し集める。次に、夢、白昼夢、イマジネーション、ファンタジーの力を駆使して点と点を結び、クリエイティブなひらめきをとおして斬新なアイディアを生み出す。アイディアをストーリーに変換することで魅力的な欲しい近未来の世界観を描く。最後に、この未来像をプレイフルでアートフルに表現する。
都市におけるマーケットデザイン
本講義はウェルビーイングに暮らせる都市におけるマーケットのかたちを考える。人と人が関係をもって自律的な活動を生み出す都市をデザインするためには、自在につながり互いに提供し享受し合う価値がマッチングしているエコシステムが必要である。世の中には価格だけでは解決できないものがたくさんあり、進学先や就職先などの希薄な資源はどれだけお金を詰んだとしても手に入らなく、自分も相手に選ばれる必要がある。自分が提供する価値と相手から享受される価値がマッチして初めて関係が構築されるのである。本講義ではミクロ経済学、ゲーム理論の基礎を学び、その応用であるマーケットデザイン(2012年ノーベル経済学賞を受賞した分野)について読み解く。そして履修者自ら、都市生活の中におけるマーケットデザインが必要なケースを定め、実際に構築を試みる。
身体性インタラクション
人の身体における各種感覚の機能と仕組みを知り,人が行動を通じて世界を認識するメカニズムを理解することで,テクノロジーを用いて身体的経験をデザインする手法を学ぶ.
トランスメディア・クリエイティブ概論
メディアはその時代のテクノロジーと、その時代の人間の欲求に合わせて、変容(トランスフォーム)し続ける。このように多様化しながら変容するメディアを、本講義では「トランスメディア」と呼ぶ。これからの「トランスメディア」を設計していくクリエイティブ論とは、どんなものであろうか?VR/AR/MR、高解像度の映像と音、触覚、5Gなどの高速通信、AIやクラウドなどのテクノロジーによって、共感覚的に進化するメディア体験とは、どうデザインしていくべきか?本講義では、それを考察する。授業は基本、英語で行う。
サーキュラーデザイン
「循環型経済」や「循環型デザイン」(「サーキュラリティ」)は、ビジネス界だけでなく、マーケティングの世界でもバズワードになっています。しかし、それ以上に、2020年に施行されるEUの「ニュー・グリーンディール」やアメリカ、アジアにおける同様の「グリーンディール」のように、設計や製造に対する循環型アプローチが法律で義務づけられることが多くなるでしょう。 対象となる分野 バイオデザイン。バイオインスパイアードからバイオエンジニアリングまで、遺伝子工学、選択的育種、バイオ研究のツールを探求し、新しい素材、コンセプト、製品をコンセプト化し、創造していきます。 新しい美学。
マテリアルインタラクション
近年は、様々な新素材が開発され、デザイナーやアーティストも新しい素材を用いて、あるいは自ら開発して、新たなデザイン、表現、デバイスの開発を行っている。本授業では、マテリアルインタラクションの手法を用いて、マテリアルの特性を観察し、制御する方法を学び、実際に応用する方法について扱う。具体的には、様々な特性(変形・変色)を持つ素材を実際に触れながら、構造についての理解を深める。さらに素材の特性を利用した成形方法(3Dプリンターやレーザー加工などのデジタルファブリケーション技術)について学び、素材の状態をセンシングする方法や素材の形や振る舞いを制御する方法を習得する。そして素材特性を組み合わせながら機能を追加したり、新素材を開発する技術について説明しながら、センサやアクチュエータ、ファブリケーションマシンの試作を通して、次世代のメディアをデザインする方法について学ぶ。
オタク文化
アニメ、ゲーム、コミック、コスプレに代表される日本発のポップカルチャーならびにそれらのコンテンツは、ジャパン・クールと称する一種の国際文化ブームを巻き起こし、重要な文化として注目されている。また政策的にも国際競争力を持つ成長産業として期待されるとともに、クリエーティビティの源泉として国家ブランドにも影響を与える観点から外交・政治面でも注目され、具体的な諸活動の起爆薬として活用され始めている。このような、日本で創造されているポップカルチャーに潜在し様々な形で活かされているクリエーティブなコンテンツ技術、表現手法、デジタル技術といった「技術」と「表現」に着目し、これらの技法がどのような形で生まれ応用されていったのかを学ぶ。同時に、それらがポップカルチャーとして定着し、シミュラークルとして国内外を問わず展開していく様を具体的な事象、クリエーター、活動家と共有しつつ、その発展過程をリアルに感じていくことを目的とする。日本の経済発展の中に潜在していた社会ダーウィニズムから来る競争的クリエーティビティと、その中でいわゆる「オタク」が生み出し国際的に認められるようになった「文化」をその誕生背景から学び取り、どのようなイノベーションを繰り広げて発展していくかを共有する。 また国際面、特にアジア方面から次々と生み出される逆輸入型コンテンツをふまえ、それらを超えるような次世代アニメーション、次世代ゲーム、次世代表現といった進化形を参加者とともに考え、コンテンツジャンルのマッシュアップを含む新次世代デジタルコンテンツの潮流を予見する。国際協調型デジタル時代のジャパニーズポップカルチャーの実働例と直接ふれ合い、ネットワークを活用した遠隔からの透過的コラボレーションを最大限利用することで、教室を超えたアクティブな講座を実現する。
サービスデザイン概論、サービスデザイン特論
本講義では、ウェルビーイングを提供できるサービス設計をできるようになるための導入講義を提供する。ウェルビーイングを提供する社会を実現するためにはイノベーションを起こすことが必要であり、持続的に運用されるためにはモノのみでは限界があり、サービスとして設計されることが不可欠である。イノベーション・マネジメント、マーケティング、管理会計、社会情報基盤、スタートアップ戦略、知財、哲学、の専門家を招き、サービスデザインするためのさまざまな手法について学ぶ。スタイルとしては、MOOCプラットフォームとリアルタイムセッションの両方を活用したBlended Learningの手法をとる。
ビジュアル・シンセシス
本授業では、ビジュアルデザインを拡張する領域として、視覚イメージに対してインタラクションが介在した場合に生まれる独特な質感や操作感、身体感覚をデザインの対象として扱う。授業で学んだデザインの考え方が応用可能な領域として、インタラクションデザイン、プロダクトデザイン、メディアアートへの応用など体感や体験設計が重要となる諸領域が考えられる。デジタルコンピュータによって作り出すことのできる視覚像とそれとのインタラクションによって生まれる操作感や視触覚、身体感覚などの感覚質は物理的な道具や装置のデザインとは異なり、人工的にプログラム、組み換え可能なものであり、また人間がそれをどのように知覚・認知するのか根底にある認知的基盤についての洞察も必要となるため、それ自体が学術的な文脈における独自のデザインの領域となり、また応用領域も幅広い。この授業では、ビジュアルインタラクションの設計に関わる既存の事例や作品についてのサーベイ、また習作と実習を経ることで、視覚イメージの操作感という内観事象や感覚をデザインする際に必要な考え方や態度を身につけることを目的とする。
(テクノロジー系列科目)
コンピューティングシステムアーキテクチャ
さまざまなシステムを構成する際に必要な実現手法のモデル化、アーキテクチャの構成方法、システム設計の手順を学ぶ。また、具体的な例としてコンピュータアーキテクチャ、オペレーティングシステム、プロトコルスタックを取り上げ計算機の仕組み、システムの仕組み、ネットワークの仕組みを学びながら具体的モデル化・設計手順を獲得する。また、これらの技術を応用プログラムから効率よく利用するためのミドルウェア技術についてその考え方と実際を学ぶ。「もの」を作る際の、手順、手法、配慮事項を身につける。また、そのために必要となる技術を理解する方法、あるいはそのための情報に到達するための知識を身につける。
ネットワークと運用
インターネットがどのように動いているのかということの全体像を理解することを目標とする。リアルプロジェクト等で新しいサービスを考える場合には、より正確な理解を得るために、参考書やプロトコル仕様を参照する必要があるが、それを理解できるための基本的な知識を与える。 サービスを公開するためには、動かなくなった場合のチェック項目の整備や、セキュリティ的な検討も必要になるが、それは授業の範囲外である。また時間の関係で実習を伴う実験・演習はできないが、それに関しては別途 Skill Course としてカバーする。
デジタルメディア・イノベーション
音や映像などのメディアがアナログからデジタルに進化する背景となる技術進化を理解するとともに、実際のデジタルメディアの応用における課題、それに対応した具体的なシステムの使い方を学ぶ。さらに実際に4Kまたは3Dなどの高品質なメディアの制作を体験する。
コンピューテーショナル・サービス・アーキテクチャ
今日で扱う新しいサービスはインターネットと全く無関係というものは非常に少ない。しかしながら、インターネットは万能なメディアではないため、これを考慮していないサービスは、一瞬動作しても使えるサービスにはなり得ない。この講義では、インターネットを中心とするネットワーク技術がどのようになっていて、ネットワークがどのように動いているかを紹介する。
情報セキュリティ技術特論
本科目は、SecCapコースに関連するインターネット、暗号、ポリシー、マネージメントなどの各分野の第一線で活躍する有識者をお招きし、最新事情について学ぶ。受講者は、個別に専門的な知識を習得するだけでなく、幅広い分野の情報を得ることで総合的に問題を考える能力を養う。
パーセプションアウェアコンピューティング
In this course, we discuss the basics of human cognition/activities and how to capture/detect physical and cognitive activities using sensors. The majority of the course will be about explorative data analysis and visualizations using sensor data with a focus on application cases from Perception Aware Computing. Perception Aware Computing is computing that understands how we humans perceive our environment. With computers being more and more integrated into our surrounding, the limiting factor is no longer memory, battery power or processing speed, but human attention. For Computing to become useful in everyday situations, the interface needs to vanish as much as possible. Computing needs to become pro-active. Computing that deals with recognizing the users cognitive states can be called perception aware. We discuss the basics of human perception and how to recognize specific cognitive states using sensors. The sensing modalities covered include inertial motion sensors (found in most smart phones), computer vision, optical eye tracking as well as electrooculography etc. We explore basic research methodology related to experimental setups, giving the students a check list what to take care of when they design experiments or user studies, limiting biases and unwanted effects on the collected data. The students will learn to apply filtering and frequency analysis related to the sensing modalities. They will perform simple data analyses on sample projects and explore visualizations based on time series data. The machine learning part covers feature extraction and some common machine learning models used to understand human behavior (e.g. Hidden Markov Models, Support Vector Machines). In the last part, we will discuss how to induce long term behavior change utilizing perception-aware computing principles and work on a final project. The project can include an experimental setup related to reading detection using smart glasses, a data visualization on smart phone data, the concept for a mobile app related to concentration etc. depending on the students interests and ideas.
エンパセティックコンピューティング
Empathy refers to our ability to understand others by being in their shoes and sharing their emotions. How do we see with their eyes, listen with their ears, touch with their hands, smell with their nose, taste with their mouth, and feel with their heart? When designing experiences, these are very important considerations that allow us to better understand each other, thus creating a society that can keep striving to be better. Yet, the future of our society may most likely lie in the metaverse. When this happens, how can empathy be understood, conveyed and shared? This course will introduce the concept of empathic interaction, its relation to emotion and the future of empathy in the Metaverse. Students will be taught how to use Unity to build immersive VR worlds. By the end of this course, students will understand not just how to develop empathic systems, but to also adapt and expand it to the Metaverse future. This will introduce not just new challenges and considerations, but also new ideas and opportunities.
(マネジメント系列科目)
グローバル社会
社会のグローバル化はボーダーレスのコミュニケーション基盤の上で醸成されてきた。それによる影響は、多岐にわたり発生しているが、社会制度がグローバル化に追従できないなどの問題もおこっている。また地球は、一国だけでは解決できないグローバルな問題にあふれ、各国の利害関係とは別の次元での価値観の共有やコンセンサスの構築が重要になってきている。この授業は、グローバル社会をより深く理解するために、その基盤を知り、その上で、文化、教育、経済、政治、ガバナンス、ジャーナリズムなどの様々な視点からの「グローバル」の意味するところを、学生の調査発表を元に考察し議論する。さらに、分析と議論を元に、未来の可能性についてビジョンし、自分の大切だと思う分野について、より良い未来のための提案を行う。このコースを通して、受講者は、今まで興味がなかった分野も含めて、グローバル社会の複雑な現状についての理解を深め、自らの未来への貢献を考えられるようになることをしている。
ソーシャルクリエイション
本講義では、社会経済的に付加価値の高いプロジェクトを生み出す手法を学ぶ。 特に、創造力・表現力を育む経済・文化活動を題材とし、コンテンツ、公益サービス、ビジネス、NPO・企業コンソーシアム等組織その他プロジェクトを構築するリアリティーを身につけることを目標とする。DTMPそれぞれに光を当てながら、事例研究、ワークショップ、コンテンツ制作などを通じた提案型の講座とする。
グローバルビジネス戦略とレスポンシブル・リーダーシップ
In this course, we discuss how large corporations provide value to modern-day society, and how social innovation can be a change maker for the society. The goal of this course is to understand the methodology of large global corporations for creating value for society, and also to consider how social innovation can change the course of society.
ビジネスとサステナビリティ
グローバルビジネスに必要な考え方、特にサステナビリティについて議論する。
ブランドコミュニケーションの未来
As we continue to move forward in time, there are plenty of unknowns surrounding how changes, big or small, will continue to affect businesses and consumers. The commercial world that we return will most likely be a very different one to the one we left.
While much has been made of business pivots during these uncertain times there are clear marketing trends appearing around how consumers are wanting to interact with businesses.
Prior to the pandemic, many industries and organizations were only just starting to understand and transform by utilizing the power of the internet, price-comparison, peer-review, and ‘auto-switch websites. As the pandemic hits, customers that re-emerge from this crisis will be fewer and probably much more risk-averse than before. They will be looking for brands they trust, developing Brand propositions and partnerships based on trust will be critical going forwards.
Join us to gain insights into how these challenging times have shifted marketing communication across industries and how consumer behavior changes moving forward. We'll also walk through marketing strategies and concepts that engage consumers in the post-pandemic era.
オタク文化のコンテンツ創造力と効率的な経済的効果の波及
コミック、アニメ、ゲーム、アイドル、Jポップソングといった日本発のポップカルチャーならびにそれらから生成されるコンテンツは、テレビ放送の普及の始まりである1960年(昭和35年)より加速度的に発展していった。本、雑誌という形で提供されてきたコンテンツは、コミック、小説、ゲームといった様々な媒体へと変化し、テレビ漫画(テレビアニメ)という形でメディアミックスが行われ、家庭へと浸透していく。それらのコンテンツは読者、視聴者がアマチュアクリエーターとなり二次創作物へと応用され、新たな創造コンテンツとして創出されていった。またそれらの二次創作コンテンツを流布・共有するための環境として、1962年より第1回日本SF大会(MEG-CON)、そして世界最大の同人誌即売会の原点であるコミックマーケットが1975年より開催される。このようなイベントは爆発的な一大コンテンツ創造産業の巣として発展を促し、いわゆるオタク文化拠点として、また国際的なコンテンツ創造拠点の舞台へと進化していった。未来先導チェアシップ講座では、このように日本で創造されてきたポップカルチャーが見出してきた創造と消費のスパイラル(循環)に着目し、コンテンツが生み出す新たな創造(二次創作,三時創作・・・)がもたらす国内・国際的な経済的効果の波及について学び、ポップカルチャーとして創造スパイラルを刺激する効率的手法について共有する。
ベンチャー基礎 ※大和証券未来先導チェアシップ講座
The sessions are aimed to help prepare the student for developing IDEAS in the Design and Media sectors. The objective is to develop the IDEA to the point that it can be validated with potential customers.The approach and material covered reflects current strategies at some of the world’s leading Start-Up Incubators in Design Schools with special emphasis on projects that have a design component.
ベンチャーローンチ ※大和証券未来先導チェアシップ講座
The sessions are aimed to help prepare the student for the start-up creation and launch process. Once the Validation with customers has been achieved then we go through the main building blocks of developing real startup. Students will be asked to develop marketing strategies, operations strategies and a financial plan for their startup Ideas as well as an overall investor pitch which they will present to a group of investors on the final day. There will also be exposure to the area of Corporate Innovation and in particular how Innovation today has changed from the past. Special emphasis is placed on how BIG DATA is affecting innovation strategies.
(ポリシー系列科目)
グローバルフューチャーのためのポリシー
「ポリシー」の概要と役割について考える。 政策がいかにビジネスやそれ以外の社会を形成するかについて、様々な分野で活躍するゲストスピカーの知見を通して理解を深める。
知的財産戦術
知的財産を巡る世界的な競争が激しくなっていく中で、知的財産に対する国家政策としての戦略的な取り組みの重要性が高まっている。本講義では、デジタルメディア・コンテンツ分野における知的財産政策、具体的には著作権政策、特許・商標政策、不正競争防止政策、そして国際標準政策を中心に、現状分析や諸外国における知的財産政策との比較分析を通じ、日本の知的財産政策の在り方について考える。
公共政策の現代的課題
インパクトあるイノベーションをいち早く創出するには、単に経済社会情勢のみならず、ビジネスや市場の動向、更には政府の政策の方向性についての知識も必要である。このコースでは、世の中の方向性を左右する大きな問題ごとに、それへの望ましい政策対応について議論することで、政策に関する学生の理解を深める。