養父モデル

先端デジタル技術で挑む格差解消と地域活性化

養父市× KMD「養父モデル」

兵庫県内で最も人口が少ない市、養父市。人口減少を抑制するためにまちづくりの総合計画を策定し、さまざまな取り組みを意欲的に実行してきました。KMDとの連携協定締結もそのひとつ。KMDが保有する最新のデジタル技術をはじめ、先端教育や学術研究などを活用し、デジタル導入の実証実験を行っています。

杉浦一徳教授が養父市で実践するプロジェクト名は「WAFU」。その第1弾として、月に1〜2回開催されている「親子ワークショップ」では、市内在住の小中学生とその保護者を対象にインターネット技術とコンピュータサイエンスを指導しています。親子で電子回路などのパーツからコンピューターやIoT機器を組み上げたり、専用ソフトウェアを利用したVTuber(バーチャルYoutuber)体験などのプログラムを展開してきました。これらのワークショップは、経験を共有しあうことで経験値の差を埋める「経験値共有手法」に基づいて実施。杉浦教授は、「先端デジタル技術を学ぶ環境は都心と地方では大きな格差があり、過疎化の原因にもなっています。私の専門領域であるネットワーク活用の真の価値は、都心や地方といった概念を越えた環境を築くことだと考えています。本ワークショップをとおして実現を目指したい」と想いを募らせています。
また、子どもと連れ立ってやって来る親世代、祖父母世代に、先端デジタル技術に触れる機会を提供したいという思惑も。実際に参加した子どもはもちろんのこと保護者の満足度が非常に高く、杉浦教授や養父市は手応えを感じています。今後は、さまざまな理由で学校に通えない子どもなどにも対象を拡げていく予定です。

次のステップとして、養父市役所の渡邉宰さんは、「地元の企業を巻き込みながらワークショップを拡大させて、まちおこしとしても機能させたいと考えています。養父市は“世界でいちばんビジネスをしやすい環境”を目指す、国の経済特区『国家戦略特区』に指定されていますから、WAFUをきっかけにデジタル技術を活用した起業しやすい環境づくりを整えていきたい」と意気込みます。また、杉浦教授は本プロジェクトのゴールを「一連のプロジェクトを実証例として“養父モデル”を確立し、世界的に広めていくこと」と定めました。そのために、都市と地方、子と親や祖父母、学校に通う子と通えない子などの格差を埋めるべく、ワークショップという“経験を共有する場”を通じた取り組みを続けているのです。

(本記事は2024年3月に作成されました。)