新たなスポーツで多様な価値観を生み出す
みずほ情報総研×KMD「超人スポーツの共創」
テクノロジーによって拡張した身体を使って、さまざまな競技を行う超人スポーツは、2014年のKMDフォーラムで初めて発信されて以来、わずか数年で大きな展開を見せています。選手数が増えると同時に、各地で新たな競技種目を開発するハッカソンが開催され、これまでに約50以上の種目が誕生しました。
最近では、行政や企業も超人スポーツに注目しています。南澤孝太准教授(取材時)は、「超人スポーツの世界ではどんなことでもスポーツになるし、すべての人が参加できる。スポーツをする、見る、支えるだけでなく、これからはスポーツをつくる(共創)という産業が生まれると考えられています」と説明します。こうしたなか、みずほ情報総研はKMDと共同でスポーツ共創に関する調査研究を行っています。同社の宮地英治さんは、「新たな事業や産業の創出に取り組む金融グループのシンクタンクとして、さまざまな企業を巻き込みながら、スポーツをつくることが新しい社会価値につながることを示していきたい」と言います。2017年には、新しいスポーツがどのように生まれてきたのかという歴史の調査をベースに、種目を開発するハッカソン、そこで生まれたものを体験する場をつくりました。2018年は、超人スポーツをさまざまな分野の人に認知してもらうためのイベントを行いました。例えば、社会福祉というテーマで新しいスポーツを考案するワークショップでは、広告、メーカー、不動産、建設、教育といった業種の人びとが参加しました。「超人スポーツの可能性は未知数のため、さまざまな視点からこれを考えることはとても意味がある。例えば、身体を拡張するスポーツが、福祉という既存の概念を更新していくかもしれません」(南澤准教授)。
課題は、一般の、特にこれまでスポーツとは縁遠かった人びとにスポーツをつくる楽しさを知ってもらうこと。宮地さんは、「経験した人の満足度が高いことは確か。最先端の尖ったテクノロジーと手の届くテクノロジーの両方を進めていけば、興味を持つ人や自分でもやってみたいと思う人が増え、スポーツ共創は広がっていくと思います」と話します。これから東京オリンピック、大阪万博など、超人スポーツを世界に向けて発信していく絶好の機会がやってきます。プロジェクトでは引き続き、新しいスポーツやそれを取り巻く産業のあり方を模索しながら、実験的な取り組みを続けていきます。
みずほ情報総研株式会社
経営・ITコンサルティング部
チーフコンサルタント 宮地英治氏

ばねでできた西洋竹馬を足につけてジャンプ力を強化し、弾力性のある透明な球体を上半身に被った選手同士が激しくぶつかり合う「バブルジャンパー」。相手を先に倒すかエリアから出したほうが勝ちとなる。

(本記事は2019年3月に作成されました。)