伝統工芸みらいプロジェクト

ITを生かした地方創生

鯖江市×KMD「伝統工芸みらいプロジェクト」

岸博幸教授のチームが福井県鯖江市とともに取り組む「伝統工芸みらいプロジェクト」では、デザインと先端技術、そして消費者との交流を通じて、伝統工芸を生かした地方創生を目指しています。 まず、鯖江市の伝統工芸である越前漆器に注目し、これまで産地が行ってきた先進的な取り組みをベースにした仮説検証を2015年からスタート。第1期には、デザインコンペティション「鯖江うるしアワード」を創設して商品化を前提に受賞作品を選出したり、市内にある「うるしの里会館」に3Dプリンターと切削機を備えたデジタル工房を開設し造形物に職人が漆をほどこす仕組みを整えるなど、新たな市場創出に向けた商品開発に着手しました。 2015年10月には、地場産業の産地を訪れる観光モデル検証の一環として、KMDの交換留学制度(GIDプログラム)で来日中のニューヨークのプラット・インスティテュートの学生たちが、鯖江市で実際に漆塗りを体験。その経験を踏まえ、新鮮な視点で誘客案に結びつく成果を導き出しました。今後はさらに観光の拠点を整備して旅行プランを打ち出し、海外向け観光情報サイトで発信する計画もあります。 こうした取り組みについて、鯖江市の牧野百男市長は、「古くから分業化で技術力を高めてきた鯖江市の伝統工芸は、チャレンジ精神が旺盛。新たな技術の産業化を目指すと同時に、オープンイノベーションによって内発的発展を実現したい。そのためには、KMDのみなさんとの協力が大きな力になるはず」と期待を寄せています。 商品開発と販路開拓、産地巡礼型観光モデル化を推進しつつ、プロジェクトの第2期以降には、3D造形技術を活用した生産技術革新や、越前漆器共通のブランド強化によって、産地をよりアピール。鯖江・丹南地域の観光キャンペーンと連動した国内での認知度向上とともに、世界での競争力も高めていきます。将来的には伝統工芸を軸に、鯖江市が大切にしてきた食文化や自然、住環境も観光テーマとしてコンテンツ化するとともに、国内外へ発信するメディアの構築までも見据えています。

(本記事は2016年3月に作成されました。)

漆塗りを体験するプラット・インスティテュートの学生たち。

鯖江市長 牧野百男氏