未来の教室

エコシステムをエッセンスとした空間

コクヨ × KMD「未来の教室」

設立以来、旧来の研究室にありがちな縦割りを廃して、教員や学生が刺激を与えあう文化や環境づくりに取り組んできたKMD。10年以上が経ち、「教室」という教育空間そのものも刷新することになりました。「人間の思考や行動パターンを変えるため、教室らしくない空間をつくりたかった」という稲蔭正彦教授が声をかけたのがコクヨです。「私たちは文房具と家具という、人間の身体を取りまく環境をすべて扱っています。そこでは働き方や学びのスタイルが重要だと考えているので、未来の教室をつくるという話にとても共感しました」(コクヨ TCM本部 石崎隆宏氏)。

コクヨ ワークスタイルイノベーション部の齋藤敦子氏によると、企業のオフィス空間は教育機関に先んじて、この10年で大きな変化を遂げたといいます。IT系やベンチャーだけではなく、今やあらゆる企業が「行きたくなる、楽しくなる空間」を目指しています。そうした先端事例を共有しながら、2030年の教室が何を育むかをディスカッション。ICTによって遠隔で学べる時代に、リアルに集まって学ぶ意味から考えなおしたのです。その結果、これからの教室にとって大切なのは、教員も学生も創造性を思い切り発揮しながらコラボレーションし、イノベーションを起こせる環境であることであると考えました。そのためにはリラックスすることや、身体を動かすことの効果にも着目しました。そんな空間のコンセプトは「バイオフィリア」。同じ色や形が存在しない自然界のエコシステムをエッセンスとして取り入れることで、各自が思い思いの場所に立ったり座ったりし、フラットな関係性で議論できる環境を考えました。

コクヨ ファニチャー事業本部の徳山 洋氏による緑豊かなスケッチを目の当たりにしたメンバーは思わず「これだね」。教室は正面が固定でなく、どこからでも出入りできます。壁は全面ホワイトボードになり、2面使ってプロジェクションすることも。ランドスケープをイメージしたカーペットに置かれる家具は、教員や学生の立ち位置、座面の高さを自在に変えられる可動式に。表面は木の表情やラフな手触りを残しました。本格的な運用は始まったばかりですが、教員と学生が円座で議論するなど自然に空間を使いこなしている様子。今後もテクノロジーやメディアを取り込むなど、柔軟にアップデートを重ねていきます。

コクヨ株式会社
TCM本部 TCMマーケティング部
石崎隆宏

コクヨ株式会社 ワークスタイルイノベーション部
齋藤敦子

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部
ものづくり本部 革新センター プロダクトデザインG
徳山 洋

(本記事は2021年3月に作成されました。)

ランドスケープをイメージしたカーペットと、教員や学生の 立ち位置、座面の高さを自在に変えられる可動式の家具。