慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科のSAMCARA「CHROMA LIFE PROJECT」が偏愛コンペティションにて最優秀賞を受賞しました。
CHROMA LIFE PROJECTプロジェクトは、循環型デザインの視点からバイオデザインを活版印刷に応用し、持続可能で革新的な印刷技術の可能性を探る取り組みである。細菌由来のバイオインクを開発し、生分解性や鮮やかな発色を実現すると同時に、光や湿度の変化によって色彩や質感が変化する動的なデザイン表現を可能にした。さらに、このバイオインクを活用し、社会的な交流を促進するワークショップの企画、細菌の成長特性を活かした製品開発、生態系の構築をテーマとした新たなメディア表現なども展開している。活版印刷の職人技術や歴史的背景を尊重しつつ、伝統と革新を融合した新しい印刷手法の確立を目指した。本プロジェクトは、印刷技術の再評価を通じて活版印刷の価値を再定義し、持続可能な未来に向けたブランド構築に寄与することを目的としている。活版印刷という伝統的技術に生命の営みを重ねることで、新たな表現と循環の価値を創出し、単なる印刷の枠を超えて、人と環境、そして時間と共生するメディアの未来像を描き出す試みである。

