メディアデザイン研究科教授に舘暲氏が就任

メディアデザイン研究科教授に舘暲氏が就任
~バーチャルリアリティ、ロボット工学、計測制御工学の世界的権威を招聘~

創立150年の記念事業の一環として、2008年4月に新設された慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(研究科委員長:稲蔭正彦)の教授として、このたび、前・東京大学大学院 情報理工学系研究科 システム情報学専攻教授で、バーチャルリアリティ学、ロボット学、システム情報学の第一人者である舘暲(たち すすむ)氏が就任されました。

舘暲氏は、「極限作業ロボット」などの国の大型プロジェクトを立案するとともに、盲導犬ロボット、テレイグジスタンス、再帰性投影技術、臨場空間構成伝送技術、ハプティクスなどロボット学とバーチャルリアリティ学の先導的研究を行ってこられました。とりわけ、盲導犬ロボットの研究と、テレイグジスタンスの研究は、世界で初めてこれらの概念を提唱したことに加え、その工学的実現可能性を、理論的研究と実際のハードウェアを用いた実験的研究の両面から実証した独創的研究として世界的に認められています。また、世界で初めて裸眼での全周囲立体視を可能としたTWISTERや、オーグメンティドリアリティの可能性を広げた再帰性投影技術(RPT)、また力の分布ベクトル場センサGelForceなども国際的に高い評価をうけています。

舘暲氏は現在までに、計測自動制御学会(SICE)常任理事、副会長、会長、SICEフェロー、日本ロボット学会理事、日本ロボット学会フェロー、日本機械学会フェロー、横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)理事、副会長、横断型基幹科学技術推進協議会(横幹技術協議会)副会長、日本バーチャルリアリティ学会初代会長などを務められています。

また、IMEKO(国際計測連合)TC17(ロボティクス)議長、 IEEE VR2001(IEEE主催バーチャルリアリティ国際会議2001)組織委員長、IEEE VR日本代表、ISMCR(ロボットにおける計測と制御国際会議)General Chair、ICAT(人工現実感とテレイグジスタンス国際会議)組織委員長、バーチャルリアリティ産学研究推進委員会委員長、文部省重点領域研究「人工現実感」領域代表者、創造的情報通信技術研究開発「視触覚相互提示システム」研究代表者、「ヒューマノイド・ロボティクス・プロジェクト(HRP)」サブプロジェクトリーダー、CREST「テレイグジスタンスを用いる相互コミュニケーションシステム」研究代表者などを務め、当該分野の世界的な権威として知られています。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科では、世界で活躍するデジタルメディア領域における創造リーダー(メディア・イノベータ)を育成するため、各界の第一人者を招聘し、最高のレベルの教育ならびに研究を行っております。

舘暲氏略歴
昭和 21 年 1 月 1 日東京に生まれる。昭和 43 年 3月東京大学工学部計数工学科を卒業後、東京大学大学院工学系研究科計数工学専門課程に進学し、 昭和45 年 3 月工学修士、昭和48 年 3月工学博士の学位を授与される。その後、昭和 48 年 4 月より東京大学工学部計数工学科助手、昭和 50 年 5月通商産業省工業技術院機械技術研究所研究員。主任研究官、遠隔制御課長、バイオロボティクス課長を経て、平成元年 9月からは、東京大学助教授を併任、平成 3 年 1 月に東京大学先端科学技術研究センター助教授に転任、平成 4 年 4月に同センター教授、その後平成 6 年 4 月 に工学部教授、平成 13 年 4月には情報理工学系研究科教授に就任。この間、学科長、専攻長などを歴任するとともにシステム情報学、特に、ロボット、バーチャルリアリティ(人工現実感)、テレイグジスタンス、および計測制御に関する研究及び教育に従事。
日本ロボット学会論文賞、計測自動制御学会論文賞、同技術賞、情報処理学会論文賞、日本バーチャルリアリティ学会論文賞などのほか、 Electrocutaneous Communication in Guide Dog Robot (MELDOG) の研究に対してIEEE/EMBS(米国電気電子工学会医療工学部門)論文賞、「人間と共存する第三世代ロボットの研究」によって通商産業大臣表彰、「ロボティクス分野における国際学術の興隆と普及に対する顕著な貢献」を顕彰するIMEKO Distinguished Service Award(国際計測連合学会特別勲功賞)を受賞、また「テレイグジスタンス、バーチャルリアリティ、ハプティクス、オーグメンティドリアリティの発展への貢献」を顕彰するIEEE Virtual Reality Career Awardを日本人として初めて受賞。なお、Laval Mayenne Technopole賞やグッドデザイン賞(新領域デザイン部門)を受賞、ASIAGRAPHアワード匠賞の第一回の受賞者となっている。指導する学生の受賞も多く、学術奨励賞20件以上、東京大学総長賞や研究科長賞受賞者も輩出。
著書として、『メカトロニクスのはなし』日刊工業新聞社、『自然とロボット(盲導犬)』桐原書店、『画像処理とパターン計測』朝倉書店、『バーチャル・テック・ラボ』工業調査会、『人工現実感』日刊工業新聞社、『ロボットから人間を読み解く日本放送出版協会、『人工現実感の基礎』培風館、『ロボット入門』筑摩書房、『バーチャルリアリティ入門』筑摩書房、『Telecommunication, Teleimmersion and Telexistence』IOS Press、『Telecommunication, Teleimmersion and Telexistence Ⅱ』IOS Press など。

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