KMD学生 バイオデザインチャレンジ2020に挑戦
2020.06.29
メディアデザイン研究科(KMD)の学生チームプロジェクト「 モジュラス」が、バイオデザインチャレンジコンテスト(通称BDC)の最終候補に選ばれ、6月15日から19日まで開催されたBDC大会において世界12 カ国44チームと競い合いました。
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バイオデザインチャレンジ Biodesign Challenge (BDC) とは、学生が、生物学者、芸術家、デザイナーと共同で新分野のバイオ技術を分析、プロジェクトを構想して創り上げるコンテストである。
このチームはKMDのマシュー・ウォルドマン教授が指揮を執るサーキュラーデザイン専門の研究室のメンバーで構成されており、プロジェクトのために芸術、デザインと生物学の間の学際的な研究を探求し、学界、産業、芸術の各専門家とのインタビューを行った。最終候補に選ばれた「モジュラス」は、スペキュラティブ・デザイン(未来を思索するデザイン)で、トランスヒューマニズム、生命倫理学、人の体を合意の元に維持する自由、個人のアイデンティティや尊厳、合成生物学などのテーマについて社会的議論を形成する事を目的にしたプロジェクトである。
本年度のバーチャル・コンテストでは学生チームと審査員団との間でプロジェクト・ビデオやライブ質疑トークが交わされた。審査員は起業家、学芸員、芸術家、デザイナー、科学者が務め、6月 19日(金)にはコロンビア大学建築学科大学院准教授で起業家のデビッド・ベンジャミン氏の基調講演、ジャーナリストで受賞作のあるSF作家アナリー・ニューイッツとFuture Tense 編集者トーリ・ボッシュとのトークが行われた。最終候補チームは毎年受け継がれている大賞「ガラスの微生物賞」など入賞を競い合い、現在は審査結果が出るのを待っているところだ。今年は新たに未来の美を競う「MANA賞」 、サイモンズ財団の支援により公共の科学への関心を喚起する「サイエンス・サンドボックス賞」が増設された。
過去のBDCチームは、そのプロジェクトをベンチャー・キャピタルから投資を受ける会社にまで育て上げ、総額250万ドル(日本円で約2.7億円)の資金を調達している。これらのプロジェクトは、H&M グローバル・チェンジ・アワード 、ナショナル・ジオグラフィック社 チェーシング・ジーニアス・アワードなど数々の賞を受賞、またオランダ・デザイン・ウィーク、NY、ロンドンのデザインイベントや世界各地の美術館、ギャラリーに展示された。
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バイオデザインチャレンジ (BDC)について
BDCは国際的な学生のコンテストで教育的プログラムである。高校生や大学生が、芸術家、デザイナー、科学者と共同で、新分野のバイオ技術を分析、プロジェクトを構想して創り上げるコンテストである。学年を通して学生はバイオ技術が社会に与える影響を分析、差し迫った課題を取り上げ、実現可能なプロジェクトを進めている。詳細についてはbiodesignchallenge.orgを参照頂きたい。